
34 :ビックリボー:2014/06/13(金) 23:39:33 ID:zhfcBI.E
遊馬「まさかあいつだけ生き返って無いって事はないよな?」
凌牙「それは無いだろ。ヌメロン・コードの力で俺を含め、七皇は全員人間として生き返ったはずだ」
遊馬「う~ん、そうだよな。だけど七皇であいつだけ消息不明で、シャークも何処に居るのか知らないんだろう?」
凌牙「案外近くに居て、1人で飄々としているかもしれないけどな」
遊馬「それはあるかも……でも本当に何してんのかな、あいつ?」
35 :ビックリボー:2014/06/13(金) 23:40:52 ID:zhfcBI.E
凌牙「気になるのか?」
遊馬「そりゃあな。だって俺もお前ら七皇も知らないって事はあいつって今1人だって事だろ?」
凌牙「まあドン・サウザンドも居ないからな」
遊馬「俺、あいつをもう1人にはしないって約束したんだ。傍に居てやるって……その約束、守ってやりたいんだよ」
凌牙「あれだけ奴には痛い目に会わされたっていうのに……やっぱりとんだお人よしだな、お前は」ヤレヤレクス
遊馬「それを言うならシャークも同じだろう? 妹シャークから聞いたぜ。たまに町を歩いてベクターの行方を追ってるって」
凌牙「璃緒の奴、余計な事言いやがって……」
36 :ビックリボー:2014/06/13(金) 23:42:16 ID:zhfcBI.E
遊馬「やっぱりシャークも気になるんだ、ベクターの事」
凌牙「……まああんな腐れ外道でも一応は七皇の1人だからな。それに放っておいてまたよからぬ事でもされると困るし」
遊馬「ふ~ん」ニヤニヤリザ
凌牙「そのにやけたアホ面は止めろ。イラッと来るぜ」ムカムカイザー
遊馬「何だかんだでベクターの事は大切に思ってるんだよな。そりゃそうか、俺とのデュエルの時もしっかりベクターの力を借りてたし」
凌牙「うるせえ、もうこの話はするな……それよりそろそろ飯にしようぜ」
遊馬「そうだな、何食う?」
凌牙「何時ものラーメン屋で良いだろう。ちょうど目の前だし」
37 :ビックリボー:2014/06/13(金) 23:44:03 ID:zhfcBI.E
ラーメン屋・店内……
ガヤガヤ……
凌牙「昼時だけに結構混んでるな。席あるか、これ?」
遊馬「スイマセン、2人何ですけど大丈夫ですか?」
店員「申し訳ありません。見ての通りただいま大変込み合っておりますので……相席で良ければすぐにご用意出来ますが?」
遊馬「どうする? 俺は別に相席でも良いけど」
凌牙「多分他の店も似た様なもんだろうしな。俺も構わないし、ここで食べちまおうぜ」
店員「ではお席にご案内します。こちらにどうぞ」
遊馬「さて、何ラーメン食べようかな?」トコトコ
凌牙「馬鹿野郎、男は黙って醤油ラーメンだろ」トコトコ
38 :ビックリボー:2014/06/13(金) 23:44:44 ID:zhfcBI.E
店員「ではこちらの席になります。ご注文がお決まり次第お呼び下さい」
ベクター「…………」ラーメンズルズル
遊馬&凌牙「…………」
39 :ビックリボー:2014/06/13(金) 23:46:12 ID:zhfcBI.E
ベクター「…………」ズルズル
遊馬&凌牙「…………」ジィー
ベクター「うく……うく……」ゴクゴク
遊馬&凌牙「…………」ジィー
ベクター「ぷはぁ! やっぱり男は黙って味噌ラーメン……ん?」
遊馬&凌牙「…………」ジィー
ベクター「…………(汗」
遊馬&凌牙「…………」ジィィィィ-
ベクター「ジャ、ジャンジャジャーン! 俺、ベクター!!」アセアセイクリッド
遊馬「いや、無理に昔のテンションで挨拶しなくても良いんだぞ?」
凌牙「何か急にネタフリされて慌ててボケた若手芸人みたいになってるぞ、お前?」
40 :ビックリボー:2014/06/13(金) 23:48:47 ID:zhfcBI.E
ベクター「あれれ~? これはこれは遊馬君にナッシュじゃないか。こんな所で何をしているのかな?」←若干震え声
凌牙「ラーメン食べに来たに決まってんだろ。遊馬、俺はこいつの隣に座るから」サッ
遊馬「分かった。入口側は任せとけ」サッ
ベクター「ちょ、お前ら何で俺を取り囲むんだよ?」オロオロットン
凌牙「お前が何処かに行かねえように決まってるだろう。さあ、俺達と一緒に食おうぜ、この店のラーメンを」
ベクター「いや、俺もう食べ終わって店出るところなんだけど……」
遊馬「すいません、注文お願いします。後こっちの人は替え玉お願いします」
ベクター「遊馬、てめぇ!?」
凌牙「遊馬はよかれと思ってやってんだよ。それよりお前には色々と聞きたい事がある……じっくり話を聞かせて貰うぜ」
41 :ビックリボー:2014/06/13(金) 23:52:05 ID:zhfcBI.E
…………
凌牙「単刀直入に聞くぞ、ベクター。今の今まで何してたんだ、お前?」ラーメンズルズル
ベクター「……別にそんな事、いちいちお前らに話す義務も義理も無いと思うんですけどぉ~?」ズルズル
遊馬「そんな言い方って無いだろ? お前だけ消息が分からなかったから本当に心配してたんだぞ?」ズルズル
ベクター「心配? この俺を? はっ、相変わらず気持ちが悪いくらいにお人よしだな、お前は」
凌牙「ようやく昔の調子が出て来たじゃねえか、ベクター……だがこいつが心配してたのは本当だぜ?」
遊馬「おう、ちなみにシャークだって俺と同じくらい心配していたんだぞ? お前を探しに町中を『破壊』までしてな」
凌牙「遊馬、余計な事は言うな。後それを言うなら『破壊』じゃなくて『徘徊』だ」
42 :ビックリボー:2014/06/13(金) 23:56:06 ID:zhfcBI.E
ベクター「……遊馬はともかくお前の心配は行方知らずの間に俺が何かよからぬ事をしてんじゃないかってだけの事だろ?」
遊馬「確かにシャーク本人もさっきそんな事言ってたけど、本当に心から心配してたんだよ。ほら、シャークって今流行りの『トンヌラ』って奴だから」
凌牙「お前はもう黙ってろよ。それとそれを言うなら『トンヌラ』じゃなくて『ツンデレ』……って誰がツンデレだ! 後『ン』しか合ってねえじゃねえか!!」
ベクター「お前らは漫才しに来たのかよ……まあ安心しろよ、ナッシュ」
ベクター「今の俺はお前らと同じただの人間だ。バリアンの力も無いし、ドン・サウザンドももう居ない」
ベクター「仮によからぬ事をしたくても何も出来ない、何の力も無いひ弱な人間だ……放っておいても害はないと思うぜ?」
凌牙「その口ぶり、むしろ自分なんて放っておけって感じだな?」
ベクター「さすが頼れる七皇のリーダーさんだ。察しが良くて助かるぜ」
遊馬「ベクター……」
43 :ビックリボー:2014/06/13(金) 23:57:38 ID:zhfcBI.E
凌牙「……もう一度聞く。今まで何してたんだ、お前?」
ベクター「しつけえな。別に何もしてねえよ……適当にブラブラしたり、たまにこうやってラーメン食ってただけだ」
凌牙「そうか……ちなみに俺を含め他の七皇は学校に通ってる。お前も前に通っていたあの学校だ」
ベクター「……だから?」
凌牙「もう一度通いたいなら戻ってくれば良い。もし暮らす場所に困っているなら俺の家に来れば良い。それぐらいの余裕はまだある」
ベクター「はあ? ちょっとナッシュちゃん、何でそんな話になる訳? さっき俺の事は放ってくれって察してくれたんじゃない訳?」
凌牙「放っておけないからに決まっているだろ? お前の私的な感情なんて知った事か」
ベクター「ますます意味が分からねえよ。さっきも言った通り俺はもう何の力も無い。放っておいても害は無いって言っただろうが」
凌牙「お前が普通の人間だから尚更放っておけないんだよ、ベクター」
ベクター「何?」
44 :ビックリボー:2014/06/13(金) 23:59:13 ID:zhfcBI.E
凌牙「1人で色々と苦労してんだろ、お前。服も汚れてるし、髪だってボサボサだ。心なしか少しやつれている様にも見える」
ベクター「…………」
凌牙「ラーメンだって本当は久々に食べたんだろ? 二杯目なのに食べるペースが変わらないところを見ると腹も減っていたみたいだな……まあ今のお前はただの人間だ。バリアンの力がないなら昔みたいにはいかないわな」
遊馬「そうなのか、ベクター?」
ベクター「……だったら何だよ?」
凌牙「お前の事だ、苦労しているからって俺達に頼るなんて発想は無かったはずだ……だがお前がこうなっているのを知った以上、俺はもうお前を放っておけなくなっちまった」
ベクター「だから何でそうなるんだよ!!」テーブルドン!!
ざわざわ……
遊馬「ベ、ベクター?」
凌牙「騒ぐなよ。他の客や店員に迷惑だろう?」
45 :ビックリボー:2014/06/14(土) 00:02:54 ID:4FXgr6YM
ベクター「うるせえ! 俺が苦労しようがお前には関係ねえだろうが! 何で俺に構う!? 何で俺を放っておけないとか言うんだよ!?」
凌牙「…………」
ベクター「むしろ俺が不幸ならお前としては万々歳じゃねえのか? なんせ俺はお前の大切な妹を3度も殺した男だからな! お前も、お前の親友だってこの手で殺した男だ!!」
ベクター「そんな俺に何で手を差し伸べる様な真似をするんだよ? 聖人君子気取りですか? 自己満足ですか? キモいんだよ! お前は俺にそんな事をする義理なんて無いのに……何で!?」
凌牙「それは……」
遊馬「――そんなの、『仲間』だからに決まってんだろ!!」
ベクター「!」
46 :ビックリボー:2014/06/14(土) 00:05:02 ID:4FXgr6YM
遊馬「確かにお前は過ちを犯したかもしれねえ。だけどそれでもシャークにとってはお前は七皇の1人で、ずっと変わらない仲間の1人なんだよ!」
遊馬「そして仲間が困っているなら手を差し伸べる……それは当たり前の事だ! 理由なんてそれだけで十分なんだよ!!」
凌牙「遊馬……もう止めろ」
遊馬「いや、止めねえよ! だって俺にとってもベクターは、真月は仲間なんだ! 俺だってお前が困ってるって言うなら手を差し伸べてやりたいんだよ」
遊馬「それに俺はお前と約束しただろ? もう1人にしないって。お前が心を取り戻すまで何度でも信じてやるってな!」
ベクター「何なんだよ、お前らは……本当に意味が分からねえ」バッ
遊馬「何処に行くんだよ、ベクター!?」
47 :ビックリボー:2014/06/14(土) 00:06:35 ID:4FXgr6YM
ベクター「帰んだよ。もうラーメンも食い終わったからな……つーかこれ以上お前らの馬鹿話に付き合うのはうんざりなんだぜ」
凌牙「……本当に大丈夫なんだな、ベクター?」
ベクター「けっ、慈悲深いバリアンのリーダー様によかれと思っても心配される様な事なんて何にもねえよ」
凌牙「学校も俺の家も何時でも大丈夫だから」
ベクター「死んでもてめえの世話になんてならねえよ!」
凌牙「そうか……じゃあまたな」
ベクター「ふん!」タッタッタッ
48 :名無しの決闘者:2014/06/14(土) 00:06:59 ID:ZdavSTA2
ここまで舞台はラーメン屋
49 :ビックリボー:2014/06/14(土) 00:07:15 ID:4FXgr6YM
遊馬「お、おい? ベクターの奴、帰っちまったぞ? 良いのか、追わなくて?」
凌牙「別に良いだろう。俺らまだラーメン食べ終わってないし」ズルズル
遊馬「それはそうだけど……」
凌牙「まああいつがちゃんと生きてるって分かっただけでも今日は収穫だ。それより早く食べないと麺が伸びるぞ? 食わねえのか?」
遊馬「いや、食べるけどさ……う~ん」ズルズル
50 :ビックリボー:2014/06/14(土) 00:10:44 ID:4FXgr6YM
凌牙「……一応あいつも罪悪感を覚えているのかもな。自分のした事に対して」
遊馬「え?」
凌牙「結局のところ、奴もドン・サウザンドに人生を狂わされた哀れな1人だ。奴がしでかした事は突き詰めればその結果に過ぎない」
凌牙「勿論それで終わりって訳にもいかないから、本人もその事を色々と考えてるんだろうな。だから今の今まで俺達の前に姿を現さなかったんだろう……まあ全部俺の想像だけどな」
遊馬「大丈夫かな、ベクターの奴?」
凌牙「本当に大丈夫かどうかは次会った時に改めて判断すりゃ良いさ……『またな』って言った時、あいつ拒否しなかったからな」
遊馬「……そうだな」
51 :ビックリボー:2014/06/14(土) 00:12:02 ID:4FXgr6YM
店員「あの、お客様?」
凌牙「ああ、さっきは悪かったな。急に騒いじまって」
店員「いえ、先ほど帰られたお客様の事なんですが……」
凌牙「どうかしたのか?」
店員「お代を支払わずに出て行ってしまったんです。見たところお二人は先ほどのお客様とお知り合いの様ですし、味噌ラーメンと替え玉の代金はそちらで払って頂けるんですよね?」
凌牙「……最後の最後でやりやがったな、あの野郎」
遊馬「……こりゃ意地でもまた会わないといけなくなったな」
おわり
52 :ビックリボー:2014/06/14(土) 00:12:55 ID:4FXgr6YM
読んでくれた人、ありがとうございました。
多分このシリーズでシリアスな話はこれが最初で最後だと思います。
54 :名無しの決闘者:2014/06/14(土) 00:15:27 ID:z2pZSY.2
乙、やはりベクターはベクターだったw
58 :名無しの決闘者:2014/06/14(土) 00:32:37 ID:sk0f3M5w
乙!シリアスなベクターとか俺得
ラーメンはやっぱ味噌だよな…深夜なのに腹減ってきた
59 :名無しの決闘者:2014/06/14(土) 00:39:02 ID:F7M/qgkM
乙です!たまにはシリアスも良いですね
一瞬塩ラーメン派と味噌ラーメン派の壮絶な戦いが起こるかと思ってしまった







