1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 13:08:44.89 ID:N89uxOD40
キャラ崩壊、人格の捏造等があります。ご注意下さい
璃緒「最近、兄と上手くいってないんです」
遊馬「兄って…シャークか?」
璃緒「はい。長い間離れていたからか、距離感の取り方を忘れてしまったみたいで…凌牙、戸惑ってるみたいなんです」
遊馬「へぇ、シャークにもそういうとこあるんだな…」
璃緒「私のほうも、どうしたらいいのか…」
遊馬「そういうことなら、これなんてどうだ?」
璃緒「これって…アニメ、ですよね?」
2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/12/11(火) 13:13:00.48 ID:QfLl4Q0E0
神代兄妹と聞いて飛んできました
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/11(火) 13:15:55.28 ID:N89uxOD40
小鳥「遊馬、学校にアニメとか持ってきてるの?」
遊馬「カイトから貰ってさ、鞄から出し忘れてたんだよ」
小鳥「へー…にしても、凄いタイトルね」
璃緒「お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ…って…」
遊馬「何でも、離れ離れだった兄妹の話らしいぜ。今のシャーク達にはピッタリだろ?」
璃緒「私はずっと寝てたから、あまりそういう感覚はないんですけどね…」
アストラル「タイトルからして、あんまり参考になりそうにないんだが…」
璃緒「とりあえず、借りておきますわね。ありがとうございます」
遊馬「気にすんなって」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/11(火) 13:22:54.11 ID:N89uxOD40
一方その頃…
ドレイク『なぁ、凌牙…お前、こんなとこで何するんだ?』
凌牙「いきなり話しかけるな…驚くだろ」
ドレイク『声、出てるぞ』
凌牙『…うっかりしてた…それで、何の用だ?』
ドレイク『何だよ、用がないと話しかけちゃダメなのか?だらだら目的もなく話すなんて、友達っぽくていいじゃねーか』
凌牙『誰が友達だ、誰が!』
ドレイク『それで、何でこんな似合わない店にいるんだよ?』
凌牙『退院祝いを買いにきてんだよ』
ドレイク『退院祝いって…妹のか?』
凌牙『ああ、流石にあの白いヘルメットを退院祝いにする訳にはいかないだろ』
ドレイク『は?…何でだよ?』
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/11(火) 13:32:20.18 ID:N89uxOD40
凌牙『素っ気なさ過ぎるだろ…もっとこう、それっぽいのじゃないと…お、あのペンダントなんてどうだ?』
ドレイク『お前がそんなことを気にする奴だったとは…』
凌牙『いいだろ、別に…すみません、これ、二つ下さい』
ドレイク『しかもペアルック…意外とロマンチストだな』
凌牙『ほっとけ』
バイス『…ふぁぁ…おはようぎざいます、兄さん、凌牙さん』
ドレイク『…もう昼だぞ?』
バイス『昨日、遅くまでネトゲしてたんですよ』
凌牙『エクストラデッキの中で何やってんだよ…』
バイス『レアアイテムゲットしたら、ダイソンさん達と盛り上がっちゃいまして…』
ドレイク『ダイソン達か…レオには気を付けとけよ』
凌牙『レオ…?lVのNo.か?』
ドレイク『ああ、あいつ、バイスにボコされて、目覚めちまったらしいんだよ』
凌牙『…マジか…』
バイス『な、何か、悪いことしちゃいましたね』
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/11(火) 13:42:50.71 ID:N89uxOD40
神代家
TV『ブラコンは個性です!』
璃緒「…ブラコンは、個性…」
TV『愛さえあれば、関係ないんです!』
璃緒「愛さえ、あれば……」
ガチャ
凌牙「ただいま」
璃緒「凌牙?お帰り」ピッ
璃緒「遅かったじゃない…学校サボってまで、何やってたの?」
凌牙「何でもねぇよ」
ドレイク『馬鹿!ここは退院おめでとう!つって、プレゼント渡すとこだろ!?』
凌牙「それより、お前何でいきなりTV消したんだ?何見てた?」
バイス『…誤魔化し方、下手ですね』
璃緒「っ!?べ、別に…なんでもない」
凌牙「何でもない、って反応じゃねぇぞ…どれ…」
璃緒「そ、そういえば、今日の夕食は私が作るんだったっけ?」
凌牙「…」ピタッ
璃緒「凌牙が苦手な料理って、何だったっけ…?」ニコッ
凌牙「…分かったよ。これ以上の詮索はなしだ」
璃緒「それでよし!」
ドレイク『兄弱ぇ…』
凌牙『うるせぇ』
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/11(火) 13:53:10.05 ID:N89uxOD40
天城家
着信音『兄さん、電話だよ…兄さん、電話だよ…兄さ』ピッ
カイト「凌牙か…何があった!?」
凌牙『カイト…相談があるんだ』
カイト「相談…だと?」
凌牙『ああ。実は、妹にプレゼントを渡そうと思うんだが…』
カイト「妹…?妹がいたのか、お前」
凌牙『いるんだよ…それで、どんなシチュエーションの、どんなタイミングで渡したらいいのか、ちょっと教えてくれないか?』
カイト「…そんな下らないことで悩んでるのか…」
凌牙『俺にとっては死活問題なんだよ、これでも…弟を溺愛してるお前なら、的確なアドバイスが貰えるかと思ったんだが…』
カイト「はぁ…いいか、凌牙…お前に、真理を教えてやろう」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/11(火) 14:02:45.78 ID:N89uxOD40
カイト「そういうことで、タイミングやシチュエーションなんて関係ない。必要なのは、ただ一つ…愛だ!」
凌牙『…愛?』
カイト「そうだ、愛だ。俺達兄は、弟や妹に対して、絶大な愛を抱いている…そうだろう、凌牙」
凌牙『…否定はしねぇ』
カイト「ならば、それ以上の何物も必要ない…否、それ以上のものなど、ハナから存在しない!」
凌牙『…っ!?』
カイト「愛をぶつけろ!それだけでいい!ムードなんてものは、後からいくらでもついてくる!」
凌牙『…なるほど…確かに真理だな』
カイト「フッ…分かればいい。健闘を祈るぞ、凌牙」
凌牙『ああ…ありがとう』ピッ
カイト「ありがとう……か」
フェイカー「カイト!夕食が出来たぞ」
ハルト「兄さん、早く食べよう」
カイト「ああ…今行くよ、ハルト、父さん」
カイト(…頑張れよ、凌牙)
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/11(火) 19:22:12.01 ID:N89uxOD40
夕食後
璃緒「凌牙、お風呂開いたわよ」
凌牙「ああ、分かった」
璃緒「あれ?まだ食器洗ってたわけ?手伝おうか?」
凌牙「いや、もう少しで終わる」
璃緒「ま、見た感じそうみたいね…それより」
凌牙「ん?」
璃緒「今の私の格好を見て、何か言うことはない?」
凌牙「…は?」クルリ
ドレイク『……よし、凌牙、ここは正直にエロいって言え!』
凌牙「…何でそんな格好してんだ?」
璃緒「男の人って、こういうの好きなんでしょ?」
凌牙「…馬鹿も休み休み言え。妹のバスローブ姿なんかで喜ぶかよ」
璃緒「妹…ね…」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]:2012/12/11(火) 19:29:27.71 ID:Cb6jJoPi0
城之内、吹雪、龍亜と同じダメ兄貴の仲間入りしたシャークさんじゃないですか!
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/11(火) 19:30:00.08 ID:N89uxOD40
璃緒「凌牙、妹の私には欲情しないのよね?」
凌牙「何当たり前のこと言ってんだ…」
璃緒「…なら…」
バイス『あ、フリーザードンさん、ログインして来ましたよ』
ドレイク『お、マジだ…てか、こいつのレベル高過ぎね?』
バイス『暇なんでしょうね…アニメでもOCGでも出番ないみたいですから…』
璃緒「今日…添い寝とか、してくれない?」
凌牙「……は?」
ドレイク『……は?』
バイス『あ、ホープさん死んじゃった』
ドレイク『…おい、遂に妹さんも発情期か?お前、これで童貞卒業出来んじゃね?』
凌牙『馬鹿言え!妹で童貞卒業なんて洒落にもなんねぇぞ…大体、添い寝、っつってんだろ!』
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/11(火) 19:43:35.10 ID:N89uxOD40
凌牙「どうしたんだ、璃緒!?お前、やっぱりまだ完治してないんじゃ…」
璃緒「だって…凌牙、私が起きてからもあんまり構ってくれないじゃない。1日くらい甘えさせてくれても…」
凌牙「いや、別にそれは望むところだが…添い寝はやりすぎだろ!もう中学生なんだぞ?」
璃緒「いいじゃない!」
ドレイク『いいじゃない!』
バイス『いいじゃないですか…っと』
凌牙「黙ってろ!」
璃緒「……え…?」
凌牙「……しまった…」
ドレイク『…やっちまった』
璃緒「…もういいわよ!凌牙の分からず屋!」タタタッ
凌牙「っ璃緒!?」
ドレイク『……』
バイス『……』カタカタカ…
ドレイク『…凌牙、悪かった…』
バイス『…ごめんなさい、悪ノリが過ぎました…』
凌牙『…いや、俺も迂闊だった…しばらくすれば、璃緒も落ち着くだろ』
凌牙「…風呂あがったら、様子見に行くか…」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/11(火) 19:55:12.55 ID:N89uxOD40
入浴後
凌牙「…璃緒、入るぞ?」
璃緒「……」
凌牙(…まだ怒ってんのか)
凌牙「…鍵は…」ガチャ
凌牙「…開いてるのか…入るからな」
バタ
凌牙「璃緒、あのな…って、寝てるのか…」
璃緒「zzz…」
凌牙(机に突っ伏して寝てるな…泣き寝入りでもしたか…)
凌牙「…しょうがない奴だ…よっ、と」グッ
ドレイク『運ぶのか?』
凌牙「ああ、ベッドまでな」
凌牙「…ほら、ったく…机で寝るにしても、毛布くらいは…」ギシッ
バイス『寝てる相手に説教しても一緒ですよ』
ドレイク『つーか、いつも凌牙のほうが言われてることだ』
凌牙『…そう、かもな』バサッ
凌牙「…ま、話は明日でいっか。お休み、璃緒」ナデナデ
璃緒「……にゅふ」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/11(火) 20:00:53.02 ID:N89uxOD40
ドレイク『面白い反応だな』
凌牙「…ああ」ナデナデ
璃緒「……みゅふ…」
凌牙(…たまたま、か?)
凌牙「……」ナデナデ
璃緒「…ぐへへ…」
凌牙「……」
ドレイク『……』
バイス『……』
凌牙「…璃緒、お前、起きてるな?」
璃緒「……zzz」
凌牙「そうか…寝てるなら仕方ないな。折角プレゼントを持ってきたが、こいつは遊馬にでも…」
璃緒「ちょっ、ちょっと待って!」
凌牙「やっぱり起きてんじゃねぇか…何してんだ、お前」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/11(火) 20:15:35.79 ID:N89uxOD40
凌牙「寝たふりしてまで、俺に構って欲しかったのか?」
璃緒「…悪い?」
凌牙「あのな、もう俺達はガキじゃねぇんだぞ」
璃緒「…関係ない」
凌牙「関係ないって…」
璃緒「凌牙、変わったよね…私が寝てる間に」
凌牙「…まぁ、それなりにな」
璃緒「でもね…私は、ずっと寝てたの…何も変わらずに…」
凌牙「……」
璃緒「起きたらいきなり何ヵ月も経ってて、凌牙はいつの間にか嫌われものになってて…」
璃緒「だから…もしかしたら、私が寝てる間に、凌牙が私を嫌いになっちゃったりしたのかな…って…凄く、怖くて」
凌牙「そんなわけないだろ…」
璃緒「凌牙にとっては明白でも、私は不安で仕方なかったの!」
凌牙「璃緒…」
璃緒「ずっとバリアンばっかりで…私には全然構ってくれなくて…その不安が日に日に大きくなっていって…」
凌牙「…それで、試したのか?」
璃緒「…そう」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/11(火) 20:28:25.87 ID:N89uxOD40
璃緒「でも、良かった!凌牙…私のこと、嫌ってなかったんだね…好きのままでいてくれた」
凌牙「当たり前だろ…たった一人の妹なんだから」
璃緒「…うん」
凌牙「…悪かったな。あんまり、構ってやれなくて」
璃緒「本当にね!一緒に登校しよう、って言ったら逃げ出すし、買い物だって、外で待ってる、ってついてきてくれないし」
凌牙「埋め合わせだ…今度、どっか遊びに行くか…」
璃緒「……楽しみにしてる」
凌牙「…」
璃緒「それで…プレゼント、って?」
凌牙「ん?ああ、これだ…退院、おめでとう」
璃緒「…ありがと」
璃緒「…これ、ペンダント?」
凌牙「ああ」
璃緒「…私の指輪は拒否したのに、ペアルックなの?」
凌牙「お前が言ったんだろ?俺だって変わったんだよ…少しは、な」
璃緒「うん!…ありがと」
凌牙「…じゃ、お休み」
璃緒「うん。今度は、ちゃんと添い寝ね?」
凌牙「勘弁してくれ…」バタン
璃緒(……あのアニメの通り…泣き寝入りのふりって、結構効くものね…)
璃緒(この調子なら、もしかして…)
璃緒(………ぐへへ)
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/12(水) 11:57:00.28 ID:nXyBgGa10
璃緒「強化合宿…ですか?」
遊馬「そ、No.クラブの皆でさ。んで、シャーク達も一緒にどうかなって」
凌牙「下らねぇ…大体、俺も璃緒もNo.クラブじゃねぇだろうが」
ドレイク『ええ…いいじゃねぇか、合宿。青い空、照りつける太陽…何より、透き通った海!』
バイス『…山だったらどうするんですか?』
ドレイク『……カレー、とか?』
遊馬「ま、一週間後の話だからさ、ちょっとは考えといてくれよ…じゃ、またな」
凌牙「待て、遊馬」
遊馬「…ん?」
凌牙「海だ…海なら、ついていってやる」
遊馬「…海?別にいいけど…」
ドレイク『さっすが俺のマスターだぜ!分かってるぅ!』
バイス『楽しみですね!合宿!』
アストラル「…観察結果124…No.32は、いい使い手に恵まれたようだ…」
遊馬「…?」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/12(水) 12:04:40.28 ID:nXyBgGa10
遊馬「お、シャーク…こっちこっち!」
凌牙「ああ…カイトはいないのか?」
ドレイク『ヒャッホウ!海だぜ!早くはやくぅ!』
バイス『落ち着いて下さい…まだ電車にさえ乗ってませんよ?』
ホープ『……』
バイス『あ、ホープさん…おはようございます』
ホープ『…ぁあ』
ドレイク『相変わらずやつれてんな…そろそろボイコットでもしたらどうだ?』
遊馬「カイトは家族旅行だってよ」
璃緒「ちょっと凌牙!少しは手伝ってよ!」
凌牙「無駄に荷物を持ってくるお前が悪い」
璃緒「無駄じゃないわよ!女の子は大変なの!」
遊馬「何だかんだ言って、持ってやるんだな、シャーク…」
鉄夫「…璃緒さんと合宿…」
徳之助「そろそろ電車の時間ウラ!早くするウラ!」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/12(水) 12:16:11.34 ID:nXyBgGa10
電車の中
ギラグ「あ、凌牙くん…この前は勝手に帰られて困ったよ…」
凌牙「…お前もいたのか…」
アリト「俺様もいるぜ!」
凌牙「…誰だよ?」
アリト「アリト様だよ!遊馬の一番のライバルさ!」
ドレイク『懐かしいなぁ…レオも、こんな馬鹿っぽい俺様キャラだったんだよな…』
バイス『そうだったんですか?私、うまれてすぐにああなっちゃったんで、知りませんでしたよ』
ホープ『…ギミパペ組では唯一の常識人だった…』
ドレイク『それが今では…』
レオ『ぅおおおお!バイス様!噛んでくれぇえええ!』
ドレイク『…これだもんな…』
バイス『ちょっ!?近寄らないで下さい!』
レオ『バイス様ぁあああゴハッ』バキッ
リバイス『どうも…皆さんお揃いで。凌牙さんも、お久しぶりッス』
凌牙『…お前…』
バイス『あ、ありがとうございます…』
ドレイク『ご、ご無沙汰してます、リバイス先輩…』
リバイス『やだなぁ…そんなに堅くならないで下さいよ、ドレイクさん』
凌牙(…遊馬も大変だな。50ものNo.とこんな感じなのか…)
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/12(水) 12:28:36.85 ID:nXyBgGa10
数十分後
璃緒「凌牙、そろそろお腹減らない?」
凌牙「そうだな…行った先で適当に食おうと思ってたんだが…」
璃緒「ふふ…実はね…」パカッ
璃緒「サンドイッチ、作ってきたの」
凌牙「へぇ…中々上手そうだな」
遊馬「なぁなぁ、俺の分もある?」
璃緒「まぁ、量に問題はないと思いますけど…貴方の分は小鳥さんが作ってきてると思いますわよ?」
遊馬「え…?マジで?」
小鳥「うん…おにぎりだけどね」
遊馬「おっ、上手そう!サンキュー、小鳥」
キャット「あ、遊馬、私も作ってきたわよ」
鉄夫「あの、璃緒さん、俺の分は…」
璃緒「はい、どうぞ」
鉄夫「…璃緒さんのサンドイッチ…」
璃緒「はい、凌牙…あーん」
凌牙「…なにやってんだ?恥ずかしいだろ…」
璃緒「いいじゃない、兄妹なんだし」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/12(水) 12:39:28.17 ID:nXyBgGa10
海
遊馬「海だぁーーー!」ダッ
ドレイク『海だぁああああ!』
リバイス『いやぁ、海ッスねぇ…』
バイス『そ、そうですね…』
ホープ『…海…眠い』
凌牙「待て、遊馬」ガシッ
遊馬「っつ…何だよ、シャーク」
凌牙「宿に荷物を置くのが先だ」
小鳥「シャークの言う通りよ。濡れるかもしれないでしょ」
遊馬「ええ…いいじゃねぇか、ちょっと遊ぶくらい」
委員長「…目的は強化合宿なんですが…」
小鳥「そういえば、デュエルの強化合宿って何?デッキの組み直しとか?」
鉄夫「それもあるけど…一番は、ドロー力向上の修行だな」
小鳥「…修行?」
遊馬「まぁ、小鳥はデュエルあんまりしないから、知らないかもな…ほら、あんな感じで…」
ギラグ「ドロー!ドロー!ドロー!」
アリト「ドロー!!ドロー!!ドロー!!」
小鳥「…海中でドローの仕草をすると、引きが良くなるの?」
凌牙「ギラグ!アリト!荷物置いてからって言ったろ!さっさと戻って来やがれ!」
ドレイク『凌牙…引率の先生みたいになってるぞ』
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/12(水) 16:58:22.78 ID:nXyBgGa10
委員長「右です、右!」
徳之助「左ウラ!」
鉄夫「ええい…ここだっ!」スカッ
スイカ「バーカ」
ギラグ「…」
竿「…」
ギラグ「……」
竿「………」ピクッ
ギラグ「来たぁ!!」グッ
魚「ーーーーーっ!?」バシャバシャ
ギラグ「ぅおおおおお!」バシャッ
鯖「……」ピクピク
ギラグ「っしゃあ!」
真月「遊馬君!」
遊馬「おう!」タッ
遊馬「かっとビングだ、俺ぇぇえええ!」ダンッ
璃緒「甘いですわ…その程度のスパイク…小鳥さん!」トッ
小鳥「任せて下さい!」ダッ
小鳥「いっけえええええ!」ダンッ
ドレイク『頑張れ、凌牙!』
バイス『水泳で敗北なんて、許されませんよ!』
凌牙「おおおおおおお」バシャバシャ
アリト「らぁぁああああ!」バシャバシャ
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/12(水) 17:08:49.51 ID:nXyBgGa10
委員長「以上、ダイジェストでお送りしました」
温泉
遊馬「しっかし…今日はつかれたなぁ…」
ギラグ「いい汗かいて、温泉で流す…正に合宿の醍醐味!」
真月「遊馬君、よかれと思って、お背中、お流ししますよ」
凌牙(そっか…部屋にデッキ置いてきたから、あいつらは来れないんだな…これはこれで寂しいが…)
ホープ『ぁあ…疲れがとれるぅ…』
金鼠『今日くらいは、しっかり休んで下さいね、ホープさん』
凌牙「…まさか、遊馬の奴、温泉の中にまでデッキを…」
アストラル「私達が回収したNo.は、デッキではなく、皇の鍵を通して会話している。だから、ここにもいられるのだ」
凌牙「…アストラル…」
アストラル「ちなみに、彼等の正式な所有者は私ということになっている。だから、遊馬に彼等の声は聞こえない」
凌牙「そうだったのか…」
アストラル「……」
凌牙「……」
アストラル(会話…終わってしまった…)
凌牙(話が続かねぇ…)
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/12(水) 17:19:22.42 ID:nXyBgGa10
アリト「128,129,130…」
徳之助「こんな所でまで腕立てしてるウラ…あんな馬鹿騒ぎの後に、よく体力もつウラ」
委員長「とどのつまり、体力馬鹿、ということですね…」
徳之助「さって…それじゃ、温泉の醍醐味…覗き穴でも探させてもらうウラ」ニヒヒ
鉄夫「お、おい、徳之助…」
徳之助「もしかしたら、璃緒さんの裸を拝めるかもしれないウラよ」ヒソヒソ
鉄夫「璃緒さんの…裸…」
徳之助「さて、それじゃ、協力して…」ヒソヒソ
鉄夫「だっ、ダメだ!流石にそれは…」
徳之助「なっ!?璃緒さんの裸を見たくないウラか!?」ヒソっ
凌牙「ほう…璃緒の裸が、何だって?」ゴゴゴゴ
徳之助「…あ…」
凌牙「懺悔の用意は、出来ているか!!」
徳之助「それっ、カイトの台詞ウラっ!?」
璃緒「…何か、騒がしいですわね、隣…」
小鳥「まぁ、人数いますし…遊馬も、いますし…」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/12/12(水) 17:28:22.78 ID:cS340rwe0
バリアン組馴染みすぎだw
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/12(水) 17:31:35.21 ID:nXyBgGa10
数十分後
遊馬「肝試し?」
真月「はい。宿から少し離れたところに、丁度いい場所があったので…よかれと思って、準備しときました」
璃緒「……肝試し…」
アストラル「肝試し…確か、例の幽霊、というものを模倣するのだったか…面白い。幽霊というのが、どれ程私と似ているのか、たしかめさせて貰おう」
真月「人数は…全部で、11人ですね」
徳之助「仕掛人の俺、真月、ギラグを除いた8人で、二人一組のチームを四つ作るウラ」
遊馬「お前が仕掛人かよ…変な仕掛けとか作ってないよな」
真月「その点は大丈夫ですよ。よかれと思って、見張ってましたから」
鉄夫「二人一組…か…」
鉄夫(璃緒さんは…)
璃緒「凌牙!私と…ね?ねっ!」
凌牙「…お前、そんなに怖がってるの見られたくないのか?」ヒソヒソ
璃緒「そんなの、当たり前でしょ!今まで築いてきたイメージだってあるんだから」ヒソヒソ
凌牙「んなもん、初日に猫見た時点で今更だろ」ヒソヒソ
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/12(水) 17:38:48.45 ID:nXyBgGa10
委員長「鉄夫君…ドンマイです」ポン
鉄夫「…はぁ…」
小鳥「遊馬…私と…」
キャット「遊馬!私と…」
アリト「遊馬!どっちのほうが度胸あるか、勝負だ!」
遊馬「おう!望むところだ!」
小鳥「……」
キャット「……」
ドレイク『肝試し、ねぇ…』
リバイス『ドレイクさんの肝は、高く売れるんじゃないッスか?』
ドレイク『ちょっ!止めて下さいよ、先輩』
リバイス『やだなぁあ…冗談に決まってるじゃないッスか…ねぇ、バイスさん?』ニヤッ
バイス『はっ…はいっ!?』
ヘリター『にゃはは、肝が冷えるねー、バイスちゃん』
ホープ『…zzz』
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/12/12(水) 17:41:14.61 ID:HnYReyq+o
ホープさん…お疲れなんですね…
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/12(水) 17:50:39.53 ID:nXyBgGa10
ワイト「ヴァアアアアア」
璃緒「ひゃぁあああぁあああ!」ギュッ
バイス『にゃぁあああああああ!!』
凌牙「落ち着け、ただのARヴィジョンだ!怖いなら、Dゲイザー外せ!てか、ワイトで駄目なら、デュエルの時はどうしてんだ!?」
璃緒「ふ、雰囲気の問題よ!こんな暗くてじめっとした場所じゃなければ、こんなの…」
バイス『ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…』
ワイト王「ハーッハッハッハ!」ピト
璃緒「きゃぁああああああ!?」ギュゥウ
凌牙「っつ!?ちょっ、力抜いて…」ミシッ
バイス『もうやだぁぁあああああ!』
ドレイク『ちょっ、泣くな馬鹿っ!?』
千目サクリファイス「……」ギョロ
璃緒「ーーーーーーーーっ!?」ギュゥゥゥウ
凌牙「腕が…俺の腕がぁあああ」メキメキメキ
バイス『わぁぁあああああん』
ドレイク『……どうしてこうなった…』
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/12(水) 18:04:59.34 ID:nXyBgGa10
璃緒「…ごめん、凌牙」
凌牙「気にすんな…予想はしてたさ」
璃緒「…ごめん」
凌牙「気にすんなって」
バイス『………グスッ』
ドレイク『おー、よしよし』
ギャァァァアァ
璃緒「ひっ!?」ビクッ
バイス『ひっ!?』ビクッ
凌牙「大丈夫だ…俺達はもうクリアした」
璃緒「…うん…」
リバイス『おや?バイスさん、泣いてますね?もしかして、苦手でしたか、こういうの?』
バイス『リバイスさん…』
ドレイク『遅かったですね…遊馬達のほうが、早く出ませんでした?』
リバイス『いえ、確かにそうなんスけど…』
遊馬「まいったぜ…まさか、迷っちまうとはなぁ…お、シャーク!?」
アストラル「遊馬、どういうことだ?私は白骨死体でもなければ、無数に目があるわけでもない…何故君は私を幽霊と誤認した?」
遊馬「…しつけぇ…」
アリト「この後は花火らしいぜ。あの真月ってやつ、色々準備してくれてるよな」
璃緒「そ、そうですわね…ありがたいことです」
遊馬「肝試しも、結構こってたしな。花火も期待出来るぜ」
璃緒「そ、そうかしら?あの程度、私達からすればまだまだ子供騙しですわ…ね、凌牙?」
凌牙「ククッ…そうだな」
遊馬(…妹シャークの悲鳴を頼りに軌道修正してた、って知られたら、どうなるかな…?)
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/12(水) 18:20:07.88 ID:nXyBgGa10
しばらくし…
凌牙「…てっきり打ち上げ花火かと思ったが…」バチチチ
璃緒「まぁ、流石にそれを用意するのは難しいでしょ…」バチチチ
アリト「勝負だ!ギラグっ!」
ギラグ「馬鹿っ!振り回すな!あぶねぇだろ!」
委員長「ちょっと!危ないじゃないですか!」
小鳥「…え?私、何もしてないけど…?」
徳之助「……ウラ」ニヤリ
委員長「また徳之助君ですか!今日という今日は…っ」
リバイス『やぁ、綺麗なもんッスねぇ…』
バイス『そうですねぇ…』
ホープ『zzzz…』
ドレイク『こいつ…風呂から帰って来てからずっと寝てるな…』
ドレイク『にゃはは!ホープンの剣もーらいっ!』
???『っ!?こら!人の姿で何やってんだてめぇ!』
ホープ『…zzz』
キャット「ちょっと!?このネズミ花火、何で私を追いかけて来るのよっ」
鉄夫「…また徳之助か…」
凌牙「あ……落ちた」ポトッ
璃緒「私の勝ちね、凌牙」チチチチ
凌牙「…別に勝負とかしてねぇだろ…」
璃緒「にしても…」
凌牙「……ん?」
璃緒「明日からは、ちゃんとした合宿しないとね」
凌牙「…そうだな」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/13(木) 11:53:00.96 ID:5CZOZD620
皇の鍵内部
ホープ『…本当にいいの?』
レイ『うん。折角しばらく決闘ないんだし、外でゆっくりしてきなよ。ここにいたら、兄さん、休めないでしょ?』
ホープ『…ありがと』
リバイス『いやぁ、すみませんねぇ、私まで…』
レイ『リバイスさんは、ちゃんとドレイクさんに謝ってきて下さいよ』
リバイス『え?なんのことッスか?』
レイ『なんのことって…ちょっと前、ドレイクさんと合流した時…』
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/13(木) 12:09:44.06 ID:5CZOZD620
リバイス『やっぱり魔法コンボッスよね…アクアジェットにさえ対応してたら、私も凌牙さんのエースとして活躍出来たんスかね…』
リバイス『にしても、ドレイクさんは毎回よく出てこれますよね…4×3とか、凌牙さんのデッキでは難しいでしょうに』
リバイス『そういえば、バイスさん可愛いッスよね…私もあんな兄弟欲しかったッスよ』
レイ『とかいって、散々愚痴っていじめてたじゃないですか…』
リバイス『そんなつもりは無かったんスけどね』
ホープ『…そろそろ行こう』
リバイス『え…?あ、もう合流してるんスね。私はもうしばらくしてから行きますよ』
ホープ『…そうか…』
レイ『兄さん、行ってらっしゃい』
ホープ『ああ、行ってくる』
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/13(木) 12:17:50.15 ID:5CZOZD620
レイ『さて…兄さんも行っちゃったし、皆は僕がまとめないと…』
リバイス『んじゃ、頑張って下さいね』
ヘヴンズ『ちょっと!いくら僕が美しいからって、八つ当たりは酷いんじゃないかな!』
銀河女王『…は?なんのこと?』
ヘヴンズ『壊れかけの人形風情とは言ってくれるじゃないか!』
銀河女王『そこまでは言ってないでしょ…今にも壊れそうな体ね、って言っただけじゃない』
ヘヴンズ『美しさとはね、永遠のものなんだよ!この完璧に美しい僕に、その言葉は侮辱だ!』
銀河女王『はぁ?何いってんのよ?ちょっとキモいわよ?ナルシー君。自分に酔っちゃってまぁ』
ヘヴンズ『それは君の方だろ?何だっけ?『揃えてあわせてクイーンズ☆ライト!』だっけ?自分の歳を考えなよ、オバさん』
銀河女王『…言ってくれるじゃない…廃棄物風情がっ!』
レイ『…大丈夫かな?』
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/13(木) 12:24:11.29 ID:5CZOZD620
アシッド『俺、自分に自信がないんです…』
ジャイアントキラー『…ふむ』
アシッド『何をしてもうまくいかないんじゃないかって…何も出来ないんじゃないかって…』
ジャイアントキラー『…』
アシッド『素材のない俺なんて…死んだほうがいいんじゃないか、って…』
ジャイアントキラー『…祈りなさい』
アシッド『…え?』
ジャイアントキラー『祈り、崇めるのです…我等が神、ムク様を』
アシッド『ムク様…?』
ジャイアントキラー『そう…どんなに優秀な方でも、どんなに愚かな方でも、どんなに劣った方でも…ムク様の前では、皆平等なのです』
アシッド『…平等…?』
ジャイアントキラー『恐れることはありません…ただ、祈り崇めるだけでいいのです』
ジャイアントキラー『我等が…神を!』
レイ『……なにこれ?』
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/13(木) 12:32:20.68 ID:5CZOZD620
ヴォルカ『ねぇ、フリーザードン、出てきなよ』
フリーザードン『帰れよ!姉さんなんかに、僕の気持ちが分かるもんか!』
ヴォルカ『……』
フリーザードン『優秀で、誰からもちやほやされて、強くて…』
フリーザードン『そんな姉さんに、僕の気持ちなんて分かるわけないだろ!』
ヴォルカ『…フリーザードン…』
フリーザードン『開封されて、姉さんを期待したら僕だった、って時、どんな顔をされる分かるのかよ!?』
フリーザードン『どうせ僕なんて…僕なんてっ!』
ヴォルカ『だからって…ゲームの世界に逃げ込むなんて、ただの現実逃避じゃない!』
フリーザードン『現実が見えてないのは、姉さんの方だろ!』
フリーザードン『本当は僕だって、姉さんと一緒にフィールドで肩を並べたいさ!』
フリーザードン『だけど…現実はどうだよ…僕が活躍出来るデッキなんて…』
フリーザードン『そんなの、ある訳ないだろっ!!』
ヴォルカ『それでも…私は…』
レイ『……どうしよう…?』
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/13(木) 12:37:44.55 ID:5CZOZD620
レイ『はぁ…なんか、ダメだな、僕…』
リバイス『ちょっと、レイさん』
レイ『リバイスさん?まだ出てなかったんですか?』
リバイス『いえ、さっき出ようとしたんスけどね…』
リバイス『門番のテラバイトさんが、倒れてたんッスよ』
レイ『えっ!?大丈夫なんですか!?』
リバイス『ええ、気絶してただけでしたから。ただ、どうやらレオさんがバイスさんに会おうと強行突破したみたいなんスよ』
リバイス『一応、ちょっと出て捕まえといたんで、しばらく、監視してて下さいね』
レイ『分かりました…お手数おかけしてすみません』
リバイス『いえいえ、気にしないで下さい。じゃ、私はそろそろ行きますね』
レイ『はい…ありがとうございます』
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/13(木) 12:49:04.97 ID:5CZOZD620
レイ『…結局、リバイスさんに助けて貰っちゃったな…』
ヘリター『およ?なんか元気ないね、レイとん』
レイ『ヘリターさん…』
ヘリター『さっき金鼠ちゃんが出てってたけど、いいの?』
レイ『はい…金鼠さんは許可しましたから。なんか最近、イルミネーターさんにいじめられて、ストレスたまってたみたいなんです』
ヘリター『へぇ…』
レイ『全然気づかなかったんですけどね…何にも出来ないし、レオさんの暴走はテラバイトさんにもリバイスさんにも迷惑かけちゃうし…本当、情けないですよね』
ヘリター『レイとんさぁ』
レイ『…はい』
ヘリター『なんか、ホープんみたいに皆をまとめよう、って息巻いてたみたいだけど…無理だよ、多分』
レイ『…そうですよね。僕なんかが、兄さんみたいに…』
ヘリター『いや、そうじゃなくてね。ホープんも皆をまとめたりしてないから』
レイ『…え?』
ヘリター『受け入れてただけだよ。皆の個性を。ま、あんなアクの強い連中を受け入れるんだから、凄いっちゃ凄いんだけどね』
レイ『受け入れる…ですか』
ヘリター『そうそう。レイとん、ホープんみたいになりたいんでしょ?』
レイ『…はい』
ヘリター『うん。だったら、まずは私の個性を受け入れるとこからはじめよっか』
レイ『ヘリターさんの?』
ヘリター『うん…かくれんぼしよ。レイとんが鬼ね』
レイ『かくれんぼ?』
ヘリター『そ。どんなときでも、楽しく愉快に痛快に!それが、私の個性だよ!ほら…目を閉じて30数えるっ!』
レイ『は、はいっ!え…と…いち、に、さん…』
ヘリター『……』ニヤリ
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/13(木) 12:56:04.98 ID:5CZOZD620
???『…28、29、30』
???『さて…ヘリターさんは何処に…』
テラバイト『あれ?レイ、なんでここいんの?』
???『テラバイトさんこそ…門番はどうしたんですか?』
テラバイト『交代だよ。今はアトランタルがやってる…てか、お前、兄さんの様子を見に行くって、出ていかなかった?』
???『…え?僕、そんなことしてませんけど……』
テラバイト『……みたいだな…お前、盗られてるぞ?』
???『え…?あぁあああ!』
テラバイト『また面倒なやつが…』
???『は、嵌められたぁぁあああ!?』
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/13(木) 17:22:56.47 ID:5CZOZD620
ハートランド
璃緒「ぅう…何か気持ち悪い…」フラフラ
凌牙「大丈夫か?」
璃緒「ぅう…何で凌牙は平気なのよ…」フラフラ
凌牙「ベンチ…座るか…」
璃緒「…うん」ストン…
凌牙「何か…ジュースでも買ってくるか?」
璃緒「いらない…けど、ちょっと横になっていい?」
凌牙「ああ…となると、俺は…」ガタッ
璃緒「だめ、凌牙は座ってて」ガシ
凌牙「…は?」
璃緒「…お休み」パタ
凌牙「…おい…」
璃緒「ふふ…久しぶりだよね、凌牙の膝枕…」
凌牙「…今回だけだぞ」
璃緒「…うん」
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/13(木) 17:26:03.24 ID:5CZOZD620
数日前
カイト「やっと見つけたぞ、凌牙…学校サボってなにしてんだ…」
凌牙「カイト…どうした?」
カイト「ほら…これ」ピラッ
凌牙「…何だこれ?」
カイト「ハートランドの無料招待券とフリーパスだよ」
ドレイク『へぇ…復興したのか、あそこ』
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/13(木) 17:34:37.94 ID:5CZOZD620
バイス『マスコミの注目は集めそうですよね。良くも悪くも…』ピコピコ
カイト「父さんに貰ってな。知り合いに配って回ってるんだ」
オービタル「ありがたく思え、不良鮫」
カイト「そういえば、前に言ってたプレゼントはどうした?」
凌牙「ああ、無事に渡せたよ」
カイト「そうか…と、なら、その子の分もだな」
オービタル「なっ…カイト様!何もこんな奴に…」
凌牙「…いいのか?」
カイト「当たり前だろ」
凌牙「…ありがとな」
カイト「気にするな」
ドレイク『なぁ!俺のガブリアスが…くっそ、ダイソンの奴、つえぇ…』
バイス『…努力値も知らないのに無理するからですよ…』ピコピコ
ドレイク『…お前、さっきから自転車でぐるぐる回って何してんだ?』
バイス『孵化作業です』
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/13(木) 17:45:34.57 ID:5CZOZD620
璃緒「…zzzz」
凌牙「…完全に寝ちまったな…」
クリス「…神代凌牙か…」
凌牙「っ!?その声…トロンのっ」クル
クリス「……」
ドレイク『…ははは!なんだそりゃぁ?』
凌牙「……クッ」
バイス『っあっははは』
凌牙「…ククッ」
クリス「…私を笑う者は、地獄の業火につつまれる…」←ピエロ
凌牙「お、おまっ…そ、ククッんな格好で、クハッ何、してんだ?」
クリス「…仕事だ」
凌牙「仕事っ?」
クリス「…フェイカーが昔馴染みのよしみで私を雇おうといってきてな…私は断りたかったのだが、トロンが勝手に…」
従業員「おい、クリス!そろそろ次が始まるぞ」
クリス「分かった…今行く」
凌牙「…クリス?」
クリス「ああ。今の私は、Vではなく、クリストファー・アークライトだ…では、そろそろ行く」
凌牙「あ、ああ…」
凌牙(あいつ、Vって名前だったのか…)
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/13(木) 17:50:55.60 ID:5CZOZD620
数十分後
璃緒「サーカス、結構面白かったね」
凌牙「ああ…そうだな」
ドレイク『あのピエロ、結構多才だったんだな…』
バイス『ピエロなのに、ナイフ投げとか綱渡りの仕事もしてましたね…』
璃緒「次、何処に行こっか?」
凌牙「やっぱり、ここはお化け屋敷だろ?」
璃緒「絶対行かない」
凌牙「…なんで?」
璃緒「…凌牙の意地悪…」
凌牙「ククッ…冗談だ。そろそろ昼食時だろ?レストランにでも行くか」
璃緒「えっとね…レストランはあっちみたい」
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/13(木) 18:00:02.89 ID:5CZOZD620
凌牙「何頼む?」
ドレイク『俺、一度でいいからキャビア食ってみたいんだよな…』
バイス『共食いですよ…まぁ、どうしてもっていうなら、私が卵を産めば…』
ドレイク『冗談だよ。ってか、俺に甥や姪を食わせる気か?』
璃緒「うーん…この超銀河パスタとか、美味しそうじゃない?」
凌牙「…超銀河?」
凌牙(…不味そうな名前だな…)
璃緒「あ、でも、このハルトバーグっていうのも結構…」ジーッン
凌牙「……」
璃緒「…」ジーッ
凌牙「…決まったか?」
璃緒「…どっちがいいかな?」
凌牙「…ったく、仕方ねぇな…両方頼んで、半分ずつ分けて食べるか…」
璃緒「…いいの?」
凌牙「別に、特別食いたいものがあるわけでもないしな」
璃緒「…ありがと」
凌牙「その代わり、お前が注文しろよ」
璃緒「うん、分かった」ピピッ
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/12/13(木) 19:48:07.52 ID:fuLcpgSfo
Ⅴ兄様が働いている…だと…
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/13(木) 22:46:45.42 ID:+SQcreZT0
観覧車
璃緒「やっぱり、最後はこれよね」
凌牙「ああ…楽しかったな。今日は」
璃緒「うん…また来ましょ、二人で」
凌牙「そうだな…」
璃緒「……」
凌牙「……そろそろ、頂上か…」
璃緒「そうね…あっ、綺麗よ、外…」
凌牙「見えてる…確かに綺麗だな」
ドレイク『馬鹿っ!そこは君の方が綺麗だよ、って言うとこだろ!』
バイス『ロマンチストの名がすたりますよ!』
璃緒「クスッ…そこは、璃緒の方が綺麗だよ、って言うとこじゃない?」
凌牙「…お前もか…」フッ
璃緒「…?何が…?」
凌牙「いや…何でもない」
璃緒「……凌牙?」
凌牙「何だ?」
璃緒「…いえ、何でもない…」
凌牙「…変な奴だな」
璃緒「……」
凌牙「…璃緒?」
璃緒「っ!?ちょっと凌牙、可愛い妹にそんな言い方しなくてもいんじゃない?」
凌牙「あ、ああ…悪い」
ドレイク『…突っ込めよ、凌牙』
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/13(木) 23:01:50.62 ID:+SQcreZT0
数分後
~♪~♪
璃緒「あ~あ…もう、営業時間終了か…」
凌牙「一日中ここにいたんだな、俺達…」
璃緒「そうね……あっ!凌牙!」
凌牙「…ん?」
璃緒「この辺りじゃない?私が指輪渡したの」
凌牙「…そうだったな…」
璃緒「懐かしいな…私、結構ショックだったんだけど…」
凌牙「悪かったよ…今は、少し反省してる」
璃緒「少し…ね。ま、結局二人で同じ指輪してるし、ペンダントまで貰っちゃったし、私としては大満足なんだけど…」
凌牙「そりゃあ良かった」
璃緒「でも…折角だし…」
凌牙「…ん?」
璃緒「交換しない?ここで、私と凌牙の指輪」
凌牙「は?何で…?」
璃緒「何でって……記念、とか?」
凌牙「…記念、か…」
璃緒「それで、また今度、ここに来たときに交換するの」
凌牙「ここに来る度に…か?」
璃緒「そう。そういうのって、何か、ロマンチックじゃない?」
凌牙「…仕方ねぇな」
璃緒「ふふ…それじゃ、はい、凌牙」スッ
凌牙「ああ…俺からも…」スッ
璃緒「一体、何回交換するんだろうね?」
凌牙「さぁな…けど…」
璃緒「…ん?」
凌牙「こういうのは、多い方がいいだろ。多分」
璃緒「……そうね」
璃緒(…でも…)
璃緒(「クスッ…そこは、璃緒の方が綺麗だよ、って言うとこじゃない?」)
璃緒(…あの時、凌牙は…)
璃緒(「…お前もか…」って…)
璃緒(…もしかして、凌牙…)
凌牙「なにボーッとしてんだ?」
璃緒「…え?」
凌牙「帰るぞ」スタスタ…
璃緒「あ、ちょっ…待ってよ、凌牙!?」タタタッ…
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/14(金) 18:09:10.08 ID:wyQbgYkK0
学校
凌牙「……」ガラッ
璃緒「……?」
璃緒(凌牙、教室の外に……?)
璃緒(昼休みでもないのに、珍しい……)
璃緒(……)
璃緒「…」ガタッ
凌牙「…」カツカツ…
璃緒「……」コソコソ…
璃緒(No.クラブの教室…じゃ、ないみたいね…)
男子A「おい…シャークだぜ…?」
男子B「うぉ…マジだ…最近、珍しく学校きてるよな…」
男子A「とにかく、目は合わせないようにしないと…何されることやら…」
璃緒「…何やら、楽しそうな話をしてますわね…」ゴゴゴゴ…
男子AB「…っ!?」
璃緒「私も、まぜてくださる?」ニコッ
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/12/14(金) 18:09:32.39 ID:78uEWeqqo
リオさん怖い
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/14(金) 18:15:39.08 ID:wyQbgYkK0
凌牙「ったく…仕方ねぇな…」
璃緒(ちょっと時間かかっちゃった…て、女の子?)コソ
凌牙「ほら…」
女子A「あ、ありがとうございます」
璃緒(あ、サインか……それだけ、だよね……っつ!?)クラッ
凌牙「もういいだろ…じゃあな」
凌牙「……」ガラッ
璃緒(ぅ…何か、頭痛い…って、図書室!?)
凌牙「…っと…」ピピピ
凌牙「…あの辺か…」トコトコ
璃緒(なんだ…本借りに来ただけか…)
~♪~♪
璃緒「あ、チャイム…」
璃緒(…授業、遅れちゃった…)
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/14(金) 18:28:55.17 ID:wyQbgYkK0
昼休み
璃緒「…っつう…」ズキズキ
凌牙「璃緒、飯食いに行こうぜ」
璃緒「…え?あっ、うん…」
凌牙「…どうした?」
璃緒「ううん…何でもない…行こう?」
凌牙「あ、ああ…」
屋上
凌牙「で、当然の様にお前たちもついてくる…と」
遊馬「まぁまぁ…いいじゃねぇか」
凌牙「…ま、いいけどな」
璃緒「……」フラフラ
凌牙「…?おい、璃緒!」
璃緒「…へっ!?」
凌牙「お前、大丈夫か?やけにボーッとしてるが…熱でもあるんじゃ…」スッ
璃緒「…えっ?凌牙!?」
凌牙「…やっぱりな…」
遊馬「ん?どうしたんだ?」
凌牙「璃緒の奴、熱があるみたいだ…保健室まで連れてく」
鉄夫「璃緒さんが熱っ!?」
璃緒「大袈裟よ、凌牙…このくらい、何ともないって」
凌牙「そうは見えねぇけどな…」
小鳥「それに、放置しといたら後で大変なことになるかもしれませんし…」
凌牙「ほら、行くぞ…一人で歩けるか?」
璃緒「大丈夫だって…もう…」
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/14(金) 18:36:39.57 ID:wyQbgYkK0
神代家
凌牙「何が大丈夫だ…38度越してたじゃねぇか…」
璃緒「ごめん…でも、何も凌牙まで早退しなくても…」
凌牙「病人を一人で放っておけるか…」
璃緒「…ありがと」
ドレイク『いやぁ、お兄ちゃんしてるねぇ、凌牙』
バイス『兄さんも、たまにはお兄さんらしいことしてくださいよ』
ドレイク『何言ってんだよ。俺以上にお兄ちゃんな奴なんていねぇぞ?ブラザー・オブ・ブラザーだ』
バイス『弟の中の弟、ですか』
凌牙「しばらくはここにいるから、欲しいものとかあったら言ってくれ」
璃緒「…ずっと一緒にはいてくれないの?」
凌牙「夕飯の用意とかあるだろ…まぁ、お前が眠るまでは一緒にいてやるよ」
璃緒「……フフッ」
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/14(金) 18:43:14.42 ID:wyQbgYkK0
数時間後
璃緒「…う…ん?」
凌牙「起きたか…丁度いいタイミングだ」
璃緒「……ん?」
凌牙「ほら、夕飯」
璃緒「…おかゆ?」
凌牙「レトルトだけどな…」
璃緒「…ありがと…」
凌牙「……」
璃緒「……ね、凌牙」
凌牙「…ん?」
璃緒「食べさせてくれない?」
凌牙「…そんなにきついのか…分かった。上体は起こせるか?」
璃緒「…うん」ギッ…
凌牙「よし…ほら…」
璃緒「……ん。…美味しい」
凌牙「…レトルトだけどな」
璃緒「それでも…美味しいものは美味しいよ」
凌牙「…そりゃあ、よかった」
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/14(金) 18:58:35.58 ID:wyQbgYkK0
璃緒「…凌牙さ…」
凌牙「…何だ?」
璃緒「私がいない間に、彼女とか出来た?」
凌牙「はぁっ!?何でそんなこと聞くんだよ!?」
璃緒「いいじゃない…答えてよ」
凌牙「いや…出来てはいないけど…」
璃緒「…本当に?」
凌牙「こんなことで、俺は嘘をつかねぇよ」
璃緒「そっか……よかった…」
凌牙「よかった…?何で…?」
璃緒「…分からないの?本当に?」
凌牙「……」
バイス『…兄さん、これって…』
璃緒「簡単なことじゃない?私が、凌牙のこと好きだから…それだけのこと…」
凌牙「…念のために聞くが…それは、家族として、だよな?」
璃緒「本気で言ってるの…?話の流れで分からない?」
凌牙「……お前…」
璃緒「凌牙は、どう思ってるの、私のこと?」
ドレイク『…まずい…かもな…』
凌牙「……璃緒…」
璃緒「…っ、やっぱり、今のなしでっ!何か、変になっちゃてるみたい…風邪のせいかな?」
凌牙「…その話は、お前の風邪が完治してからだ」
璃緒「…えっ?」
凌牙「……」
璃緒「時間が欲しい…ってこと?」
凌牙「…いや、答え自体は決まってるんだ…ただ…」
璃緒「だ、だったら…!ここで…」
凌牙「今、答えるわけにはいかないんだよ」
璃緒「…っ、何でっ!?」
凌牙「とにかく…その話は風邪が治ってからだ。そこは譲れない…」
璃緒「…凌牙…」
凌牙「…今は、ゆっくり休め、璃緒…」
璃緒「…っ!お休みっ!」
凌牙「ああ…お休み」
凌牙「……」ピピッ
凌牙「ーーーーカイトか…」
凌牙「すまないが…一つ、頼まれてくれないか?」
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/15(土) 16:01:01.37 ID:7hbIwnzC0
数日後
凌牙「…熱は、もう大丈夫みたいだな」
璃緒「昨日から大丈夫だったじゃない…念のため、って1日余計に寝かせて…」
凌牙「念のため、だ」
璃緒「全く…凌牙は心配性なんだから…」
凌牙「それより…この前の話だが…」
璃緒「そういえば、今日って休みなんだっけ?一緒に映画とか行かない?それとも、ショッピングとか…?」
凌牙「話をそらすな、璃緒」
璃緒「っ!?」
凌牙「…璃緒、俺は…」
璃緒「ダメ…聞きたくない」
凌牙「これは、ここではっきりさせないといけない問題なんだよ…」
璃緒「でも…」
凌牙「璃緒、俺は、お前の想いに答えるわけにはいかない…」
璃緒「…何で?好きな人でもいるの?」
凌牙「違う…そういう問題じゃないんだよ」
璃緒「じゃあ…どういう問題なの…?」
凌牙「本気で言ってるのか…?俺達は兄妹だぞ?」
璃緒「っ兄妹だからって!そんなの…」
凌牙「兄妹だから、駄目なんだろうが…これは現実なんだぞ?実は義理の兄妹だった、なんて都合のいい展開はあり得ないんだ」
凌牙「大体、璃緒…お前のそれは、本当に恋心なのか?」
璃緒「…どういう意味?」
凌牙「そのままの意味だ…分からないか?」
璃緒「…分からない…」
凌牙「…まぁ、すぐに納得しろってのも無理な話か…元々、間違ってることくらいはお前も理解してるだろ?」
凌牙「しばらく…俺は家を出る」
璃緒「…え?」
凌牙「お前は一度頭を冷やして、しっかりと考え直すべきなんだ…俺がいたら、そんなこと出来ないだろ?」
璃緒「そんな…一方的にっ!?」
凌牙「話は知り合いにつけてあるから、俺の心配はしなくていい…お前はただ、自分のことを見つめ直しておけばいい」ギィ…
璃緒「り、凌…」
凌牙「じゃあな」バタン
璃緒「っ、凌牙、凌牙っ!?」
璃緒「何で…なんでっ!?」
璃緒「…ぅ…ぁ…」
璃緒「ぁあああああああ!?」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/15(土) 16:15:38.64 ID:7hbIwnzC0
翌日、下校中
璃緒(凌牙…学校、来てなかった……)
璃緒(本当に…私と顔をあわせないつもりなんだ……)
璃緒(何で…こんなことになったんだろ…?)
璃緒(私はただ、凌牙を愛していただけなのに…)
璃緒(ただ、ずっと一緒にいたかっただけなのに…)
璃緒(私が…私がいけなかったんだ…)
璃緒(あんな…あんなこと言っちゃったから…)
璃緒(だから、凌牙は…)
男の子「おい、早くしろよ」
女の子「ま、待ってよ…お兄ちゃん!」
男の子「…仕方ないやつだな…」
女の子「…むぅ…」
璃緒(楽しそうね…)
璃緒(あれで良かったのに…あんな風に、一緒にじゃれあっていられる関係で…)
璃緒(あれで…良かったのに…)
璃緒(…本当に?)
璃緒(本当に、あれだけで良かったの…?)
璃緒(…違う…)
璃緒(ずっとあんな関係を続けるなんて、きっと私には耐えられない…)
璃緒(私と凌牙は兄妹…)
璃緒(いつか…離れ離れになってしまう…)
璃緒(そんな不安に…耐えられる?)
璃緒(無理…絶対に…)
璃緒(…運命だったんだ…)
璃緒(あの時言わなかったとしても…私はいつか、その想いを凌牙に打ち明けてしまう…)
璃緒(そして…こんな風に破綻する……)
璃緒「…凌牙…」
璃緒(…何で、受け入れてくれないの…?)
璃緒(間違ってるのなんて分かってる…でも……)
璃緒(凌牙…凌牙は、平気なの?)
璃緒(いつか私と、離れ離れになって…)
璃緒(私は…無理…)
璃緒(耐えきれない…絶対に…)
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/15(土) 22:27:10.04 ID:n++aHbpN0
神代家
ガチャ…
璃緒「…ただいま」
シーン…
璃緒「…はぁ」
璃緒(…誰もいない家で、何してるんだろ、私…)
璃緒(……何か、凄く疲れた…)
璃緒(夕飯はいいや…今日は、シャワー浴びたら寝よう…)
璃緒(…明日には、帰ってくるよね?凌牙……)
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/15(土) 22:31:17.67 ID:n++aHbpN0
三日後
璃緒「…おはよう」
シーン…
璃緒「もう…凌牙、まだ寝てるの…?」
ガチャ
璃緒「鍵開けっ放しだし…凌牙、朝だよ」
シーン…
璃緒「……」
璃緒(まだ…帰ってきてない…)
璃緒(もう…帰ってこないの?)
璃緒(あり得ない…そんなこと、あり得ないよね…)
璃緒(あと…二日もすれば…)
璃緒(きっと……)
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/15(土) 22:36:43.77 ID:n++aHbpN0
四日後
璃緒(…いない…)
璃緒(……いない…)
璃緒(いない……)
璃緒(家にも…学校にも…)
璃緒(凌牙が、いない…)
璃緒(なんで…どうして、凌牙はいないの…?)
璃緒(どうして…凌牙はいないのに、私はここにいるの…?)
璃緒(…終わり…?)
璃緒(私と凌牙を繋いでいたものって、こんな簡単に終わるものなの…?)
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/15(土) 22:41:00.53 ID:n++aHbpN0
璃緒(私が…ただの家族だから?)
璃緒(私が…所詮、妹に過ぎないから…?)
璃緒(だから…凌牙は私を…)
璃緒「……ぅ…」
璃緒「ち…違うっ!」
璃緒(何…疑心暗鬼になってるの…?)
璃緒(考え直せって…それだけじゃない…)
璃緒(凌牙が…そう言っただけ…)
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/15(土) 22:44:41.11 ID:n++aHbpN0
璃緒(…でも…)
璃緒(考え直せって何を…?)
璃緒(考え直すことなんて…)
璃緒(分からない…分からない…でも…)
璃緒(確実なことが、一つ…)
璃緒(凌牙には、私が必要だってこと…)
璃緒(私に…凌牙が必要なように…)
璃緒(そのはず…絶対に…そう…)
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/15(土) 22:53:28.03 ID:n++aHbpN0
璃緒(もしかしたら…)
璃緒(気まずくなってる、だけなのかも…)
璃緒(あれだけのことを言って…帰り難くなってる…とか?)
璃緒(そ、そう…そうだよね?)
璃緒(だって…それ以外に、凌牙が私を避ける理由なんて…)
璃緒「も…もう、仕方ないな、凌牙は…」
璃緒「本当に…私がいないとダメなんだから…」
璃緒「大丈夫…ちゃんと探し出して、見つけてあげるから…」
璃緒「ふふっ…」
~♪~♪
璃緒(…?誰だろう…?)
璃緒(もしかして、凌牙…?)
璃緒(出ていく時に、鍵を忘れていった…とか?)
~♪~♪
璃緒「あ、はい…今出ます」
ガチャ
ドロワ「……」
璃緒「……?」
ドロワ「……」
璃緒「あの…どちら様ですか…?」
ドロワ「ドロワだ…」
璃緒「はぁ…、あの、ご用件は…?」
ドロワ「……」
ドロワ「神代凌牙に…会いに来た」
璃緒「……え?」
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/16(日) 08:50:30.67 ID:R57pn9So0
こえーよホセ
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/16(日) 16:32:02.01 ID:3/cHaLnD0
ドレイク『…そういや、金鼠って知ってるか?』
バイス『知ってますよ。No.のことは、大抵レイ君がメールしてくれますから』
ドレイク『その金鼠のことなんだけどさ、イルミネーターにいじめられてたらしいんだよ』
バイス『そういえば、そんなこと書いてありましたね』
ドレイク『で、この前ついにキレちまったらしいんだよ』
バイス『へぇ…それで、どうしんですか?』
ドレイク『ヘリターに頼んでさ、イルミネーターの馬に、正面に人参がある、って錯覚させる紋章をつけてもらったらしい』
ドレイク『その日以来、イルミネーターは走り続けているらしい』
バイス『…それで?』
ドレイク『いや、それだけ』
バイス『あ、落ちはないんですね…』
凌牙「……」
ドレイク『……』
バイス『……』
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/16(日) 16:39:33.30 ID:3/cHaLnD0
ドレイク『……七不思議だ』
バイス『…え?』
ドレイク『皇の鍵七不思議ってのがあるんだが、知ってるか?』
バイス『…いえ…そんなものあったんですね?』
ドレイク『オカルト研の連中が頑張って編集してるんだと』
バイス『あっちには、部活とかあるんですか?』
ドレイク『周りが勝手にそう呼んでるだけだ。今のところ、十一不思議まであるらしいぜ』
バイス『…まぁ、あの面子で十一なら、平和ってことなんでしょうけど…』
ドレイク『ちなみに、一番の謎はどうしてホープがヘリターの告白をOKしたか、らしいぜ』
バイス『…確かに謎といえば謎ですけど、中々失礼ですね…』
ドレイク『ま、二番目はヘリターがどうしてホープに惚れたのか、ってのだけどな』
バイス『……?ホープさん、いい人じゃないですか?』
ドレイク『お前…あのヘリターだぞ?』
凌牙「……」
ドレイク『……』
バイス『……』
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/16(日) 16:44:22.01 ID:3/cHaLnD0
ドレイク『……なぁ、元気出せよ凌牙…多少強引ではあったけどよ、そこまで間違ってなかったさ…お前の対応は』
凌牙「間違ってない…?」
凌牙「あの結果が…間違ってないってか…?」
バイス『何でもかんでも、上手くいく訳ではないんですよ、凌牙さん…』
凌牙「………」
ドレイク『…なぁ』
凌牙「…俺は…」
ドレイク『…ん?』
凌牙「俺は、勘違いだと思ったんだ…あいつは、きっと家族愛と恋愛感情を勘違いして…履き違えちまっただけなんだろうって…」
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/16(日) 16:51:45.16 ID:3/cHaLnD0
凌牙「…もし…もしも、だ」
凌牙「あいつが倒れる前にあの告白を聞いていたら…多分、俺は頷いていた」
凌牙「俺と璃緒は、この世に双子として生をうけて以来、ずっと一緒にいた…」
凌牙「その、長い時間の中で…俺は、いつの間にか家族愛を恋愛感情と錯覚していた」
凌牙「でも…璃緒がいなくなって…二人の世界から抜け出して…」
凌牙「多少はやさぐれてたけど、それでも、周囲の家族や兄弟を見ているうちに気づいたんだ…」
凌牙「ああ…俺の璃緒に対する想いは、こいつらと一緒なんだなって…」
凌牙「だから…俺が離れさえすれば…璃緒も…って…」
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/16(日) 17:01:56.08 ID:3/cHaLnD0
凌牙「…だが、あいつは…」
ドレイク『…履き違えでも、勘違いでも無かった、ってか…』
凌牙「…そうかもしれない…或いは俺がいない状況で、周りの世界を見ることが出来なかった、か…」
凌牙「…ま、俺とあいつじゃ、状況が違うけどな…俺は絶対にあいつと会えない状況だったが…あいつは、何処かに俺がいることが分かってる…」
凌牙「いっそ…死にかけのふりでもしといた方が良かったかもな…」
ドレイク『…一緒だろ』
ドレイク『どんな状況でも、あの妹はお前を愛すさ…兄として、ってだけじゃあなくな』
凌牙「…どうして分かる?」
ドレイク『お前はどうしてわかんねぇんだよ…』
ドレイク『一目瞭然だろ…んなもん』
凌牙「……」
カイト「何を一人で呟いている…?」
凌牙「…カイトか…」
カイト「その様子だと、ドロワから話は聞いたらしいな」
カイト「だがまぁ…とりあえずは夕食だ」
カイト「今日は…お前も食卓につけよ」
凌牙「…今の俺が同席したら、空気が悪くなるぞ」
カイト「他人のことを気にかけてられる状況か?」
カイト「酷い顔してるぞ、お前…」
凌牙「……」
カイト「とにかく…ついて来い」
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/16(日) 17:06:09.60 ID:3/cHaLnD0
天城家、食卓
クリス「ようやく…引きこもりの居候が出てきたか…」
凌牙「居候はお互い様だろ」
クリス「私はハートランドで働いているぞ」
凌牙「……」
フェイカー「とにかく…座れ、凌牙」
フェイカー「ここは…夕食の席だ」
凌牙「……」ガタン
フェイカー「それでいい…」
フェイカー「では…夕食をはじめよう」
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/16(日) 17:18:05.28 ID:3/cHaLnD0
フェイカー「……凌牙」
凌牙「…何だ、Dr.フェイカー…」
フェイカー「息子の友人らしく、おじさん、とでも呼んでくれると嬉しいのだが…」
凌牙「…何だ、おじさん」
フェイカー「いや…何でもない。満足した」
カイト(…頼むから、空気を読んでくれ、父さん…)
クリス「…妹と喧嘩して、家出してきたらしいな…」
クリス「あれだけ妹妹と連呼していたというのに…哀れな奴だ」
凌牙「…てめぇ…っ!」
クリス「父は…お前のことを気に入っていた…」
クリス「何処かの歯車が少し狂ったら…もしかしたら、お前は私の弟になっていたかもしれないな?」
凌牙「…冗談は止せ…誰がてめぇら何かと」
クリス「だから…兄として、助言してやろう」
凌牙「…助言?」
クリス「お前の悩みなど、簡単に分かる」
クリス「妹の精神は危うい状態だ…早く会わねば大変なことになるかもしれない…」
クリス「だが…今会いに行けば、妹は後戻り出来なくなるんじゃないか…」
クリス「そうやって…お前は悩み、どうすることも出来なくなっている…」
クリス「全く…愚かなことだ」
クリス「凌牙…答えは一つしかない」
クリス「お前は…妹に会いに行くべきだ」
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/20(木) 13:59:00.17 ID:QtuDURcS0
カイト「…俺もクリスに同意する」
凌牙「…カイト…」
カイト「凌牙…お前や妹がどう思っているかは知らないが、お前達のそれは兄弟喧嘩と変わらん…対面して、冷静に話し合えば案外あっさり解決するものだ」
凌牙「……」
クリス「凌牙…私はお前よりも長く兄をしている…その私が言うのだ。間違いはない」
ドロワ「…妹は、もうお前を探し始めている」
ドロワ「と、なれば、九十九遊馬にも相談することだろう」
ドロワ「ここがわれるのも時間の問題かもしれない…それに、いつかはお前も会いに行くつもりだったんだろう?」
ドロワ「ならば、お前から行くのが筋というものだ」
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/20(木) 14:05:29.08 ID:QtuDURcS0
凌牙「……俺は…」
ゴーシュ「何難しい顔してんだよ!」パン
凌牙「っ!?」
ドロワ「食事中に席を立つな…礼儀を知らんのか!?」
ゴーシュ「こういうのはノリだ、ノリ!」
ゴーシュ「場の雰囲気にあわせて、適当にノッとけばなんとかなるんだよ!」
ドロワ「…誰も彼もがお前のように単純なわけではない…適当なことを言うな」
ゴーシュ「いいんだよ、ノリだ、ノリ!」
凌牙「…フッ、そうかもな…」
凌牙「…行くとするか…璃緒に会いに…」
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/20(木) 14:13:22.34 ID:QtuDURcS0
ハルト「……」トトト…
ドロワ「…ハルトまで…」
ハルト「…これ」スッ
凌牙「……?」
ハルト「…妹さんにも…」
凌牙「…ああ、ありがとう…」
カイト「……オービタル!」
オービタル「カシコマリ!」ガシャン
凌牙「……お前…」
オービタル「カイト様の為だ!」
凌牙「…ああ、分かってるさ…」
凌牙「……世話に、なったな…」
カイト「気にするな、凌牙」
クリス「貸し一つだ。次の日曜、仕事を代わって貰おう」
ドロワ「…許されると思うか…?」
クリス「…冗談だ」
凌牙「…今度、飯を奢ってやる」
クリス「…楽しみにしておく」
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/20(木) 14:19:27.60 ID:QtuDURcS0
フェイカー(…何だか、よく分からんが…)
フェイカー「凌牙…お前には、少なくともこのDr.フェイカーの三分の一の力はある」
フェイカー「それだけの力があれば、出来ぬことなどほとんどない」
フェイカー「自信を持って、行くといい…」
凌牙「…ああ、当然だ」
凌牙「兄が…妹のために出来ないことなんて、有りはしないさ」
ドレイク『…いいんだな、凌牙』
凌牙『…ああ』
凌牙『俺もいい加減、家に帰りたいしな』
ドレイク『…そうかよ』
バイス『…話が終わるまで、私達は黙ってたほうがよさそうですね』
ドレイク『また、前みたいなことになると面倒だしな…』
ドレイク『んじゃ、頑張れよ、凌牙』
凌牙『…ああ』
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/20(木) 14:23:21.21 ID:QtuDURcS0
凌牙「さて…行くか、オービタル」
オービタル「…カイト様の為だからな!」
凌牙「何度も言わなくても分かってるよ」クスッ
凌牙(ドロワの言った通り、最初に行くのは遊馬のところだろう)
凌牙(まずはそこに向かう…もしもいなかったら、地道に探すしかないな)
凌牙「オービタル…とりあえず、最初は遊馬の家に向かってくれ」
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/20(木) 18:17:37.19 ID:QtuDURcS0
九十九家前
璃緒「……」フラフラ…
凌牙(…ドロワの予想通り、だな…)
凌牙「…オービタル、降ろしてくれ…ありがとう」
ヒュー…トン
璃緒「っ!?り…凌牙…?」
凌牙「…璃緒…」
璃緒「凌牙…凌牙ぁ!」ダッ
璃緒「お帰り…お帰りっ!」ギュッ
璃緒「よかった…やっと、やっと…」
璃緒「待ってたよ、凌牙…ずっと、ずっと…」
璃緒「怖かったんだから…凌牙に、嫌われちゃったんじゃないか、って…」
凌牙(…なるほど…つまり、俺の方法は最初っから間違ってたってわけか…)
凌牙(そういう風に勘違いされたら、こうなるのも当然か…)
璃緒「でも…そうじゃなかった…ちゃんと…ちゃんと、帰ってきてくれた…」
璃緒「何疑ってたんだろ、私…」
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/20(木) 18:21:27.43 ID:QtuDURcS0
璃緒「そんなの…当然なのにね…」
璃緒「凌牙には、私が必要なんだから…」
璃緒「私に、凌牙が必要なのと同じように…」
凌牙「……」
凌牙「…ああ、そうだな…」ギュ
凌牙「ただいま、璃緒…」
凌牙「すまなかったな…まさか、そんな風に思われていたとは…」
璃緒「…いいよ」
璃緒「凌牙、帰ってきてくれたから…」
璃緒「私は…それだけで…」
凌牙「…そうか…」
凌牙「……帰ろう…我が家に…」
璃緒「……うん」
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/20(木) 18:26:07.91 ID:QtuDURcS0
神代家
璃緒「…ね、夕飯は何がいいかな?」
璃緒「今日は凌牙が帰ってきたし、とびっきり豪華なのにする?」
璃緒「それとも、二人で作ったりしちゃう?」
璃緒「…うん、そう」
璃緒「こんなこと、滅多にしないし…」
璃緒「やっぱり、二人で作ろうよ、凌牙…」
璃緒「何か、すっごくワクワクしない?」
凌牙「……璃緒」
璃緒「なに?凌牙…」
凌牙「何で、あんなことを言った…?」
璃緒「それは…凌牙が好きだからに決まってるじゃない…」
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/20(木) 18:31:49.04 ID:QtuDURcS0
凌牙「そういうことじゃない…」
凌牙「璃緒…お前なら分かるだろ?俺は、他の誰よりもお前を愛している…」
凌牙「それじゃ…満足出来なかったか?」
璃緒「…そんなことないよ…あれは、熱でテンションがおかしくなっちゃってたから…」
璃緒「…つい…」
凌牙「つい…ってことは、やっぱり、何処かで不満をかんじてたんじゃないのか…?」
璃緒「……だって…」
璃緒「凌牙、私を妹として愛してるんでしょう…?」
璃緒「…兄妹なら、私達はいつか離れ離れにならなきゃいけない…」
璃緒「…私は、凌牙に愛されてさえいれば、それが妹でも恋人でもいいよ…」
璃緒「…でも、妹のままじゃ…」
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/20(木) 18:36:55.83 ID:QtuDURcS0
凌牙「…別に、絶対に離れ離れになるって訳じゃないだろ?」
璃緒「…離れ離れ、っていうのが一番の問題ってわけじゃない…」
璃緒「恋人が出来て、結婚相手が出来て、子供が出来て…」
璃緒「大切なものがどんどん増えて…でもね、その大切なもの全部を、皆同じように愛すことは出来ない」
璃緒「一番とか二番とか、序列がある…その中で、結婚相手や子供より、妹を上位におく?」
璃緒「私は…凌牙の一番でいたいの…」
璃緒「…だから…」
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/20(木) 18:42:08.93 ID:QtuDURcS0
凌牙「…それが、きっかけか…」
凌牙(…何だ…本当に…)
凌牙「全く…何てバカなことで悩んでるんだ…」
璃緒「っバカって何よ!」
璃緒「私にとってはね!」
凌牙「璃緒…お前の悩みは杞憂だ」
凌牙「俺が一番に愛すのは、いつだってお前だけだ、璃緒」
璃緒「…それは、今だから言えることでしょ?」
璃緒「本当に子供や奥さんが出来たら…そんなこと、言えなくなるに決まってる」
凌牙「それが不要の心配なんだよ」
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2012/12/20(木) 18:55:06.46 ID:QtuDURcS0
凌牙「璃緒、俺はお前を最高の妹だと思っている」
凌牙「誰よりも可愛く、賢く、優しい…最高の妹だ」
凌牙「俺は、そんなお前とずっと一緒にいたんだ…」
凌牙「お前がいる生活になれちまったからさ…お前以上に魅力的な相手じゃなければ、付き合う気にはなれなくなった」
凌牙「けどな…お前以上に魅力的な奴なんて、この世界には存在しないんだよ…」
凌牙「俺にとっては、な」
璃緒「……」
璃緒「…なに、それ…?」
璃緒「本気で言ってる?」
凌牙「当然だろ…お前には嘘はつかねぇよ」
璃緒「…何よ…それじゃあ…」
璃緒「ずっと空回りしてたんだ、私…」
璃緒「……バカみたい」
凌牙「こっちの台詞だ…」
凌牙(…本当に、ちょっと話すだけで解決することだったんだな…)
璃緒「……」
凌牙「……」
璃緒「……」
凌牙「…飯、一緒に作るんだろ?」ガタッ
璃緒「…ふふっ…そうね…」
璃緒「……うん」
璃緒(凌牙は…私を愛してくれる…)
璃緒(それは、あくまでも兄として、かもしれないけど…)
凌牙「おっ…そうだ、璃緒…ほら」ヒュッ
璃緒「…っと、なにこれ…キャラメル?」パシッ
璃緒(でも、凌牙の愛が、例え兄としてのものだけだとしても…)
璃緒(私の愛は…変わらない)
璃緒(それに、凌牙は一番に私を愛してくれてる…なら…)
璃緒(今は…それだけでいいよね…)
璃緒(でも…いつかは…)
璃緒「……甘い」
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/20(木) 18:58:57.62 ID:QtuDURcS0
これで、この話はおしまいです。
問題が保留になっただけ、みたいな終わり方ですけど…
区切りのいいとこまで来たので、他を進めたら、しばらくは受験に専念しようと思います
一応、このssもまだ続けるつもりです
では
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2012/12/20(木) 19:26:43.07 ID:kQypLKbZo
フッハッハ!甘々ですねぇ
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2013/02/07(木) 18:54:42.47 ID:12ipPYhzo
璃緒トークンにジャイアントキラーでファンサービスだ!