ike 01
erinsia


1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/05(火) 22:48:36.65 ID:fV8FEyiF0
    クリミア王宮

    ルキノ「王都奪還から二ヶ月……ようやく復興の兆しが見え始めてきましたね」

    エリンシア「……そうね、ルキノ」

    ルキノ「……浮かばないご様子ですね、陛下」

    ルキノ「今日どころか、ここ最近ずっとちらほらそのようなご様子でおられますが……いかが致しました?」

    ルキノ「私でお力になれるような事であればお聞きいたしますが……」

    エリンシア「ルキノ、あのね……」

    ルキノ「はい……」

    エリンシア「女王となってからアイク様にほとんどお会いできなくて、それが寂しいの」

    ルキノ「……は?」


2 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/05(火) 22:53:22.93 ID:fV8FEyiF0
    エリンシア「私は公務が山積しててほとんど王宮から動けないし、アイク様は復興支援として殆ど城下に出ずっぱりですし」

    エリンシア「自分でもわからないけどアイク様のことを考えるだけでつい上の空になってしまうのよ」

    ルキノ(それだけ理解しておきながらまだ自覚がないのですか……)

    ルキノ「単に将軍にお会いしたいだけなら招聘すればすぐ駆けつけると思われますが」

    エリンシア「急用でもないのにお呼びしたらアイク様にも迷惑ですし、貴族達への体裁上もよろしくありませんもの」

    エリンシア「それに、そんな状況でお話できることなんて堅苦しすぎて想像するだけでも息が詰まるわ」

    ルキノ「それは、確かにそうですが……」

3 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/05(火) 22:58:40.05 ID:fV8FEyiF0
    ルキノ「然らば、傭兵団の方々の宿舎に私がお伺いしてご様子だけでも伺ってみましょうか」

    エリンシア「そうね……頼まれてくれる?ルキノなら安心して頼めるわ」

    ルキノ「御意。……ところで」

    エリンシア「どうかしたの?」

    ルキノ「……この件、ユリシーズやジョフレにはお話したのですか?」

    エリンシア「ユリシーズにはまだよ。あの人になんて話したらどう弄られるかわかったものじゃないわ」

    エリンシア「ジョフレには話してみたけど、『……そうですか』としか言ってくれなかったわね」

    ルキノ「……わかりました。それでは」

    ルキノ(可哀想なジョフレ……)

4 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/05(火) 23:03:01.16 ID:fV8FEyiF0
    クリミア城下・傭兵団宿舎

    ルキノ「……御免下さい」

    ミスト「あら、ルキノさんじゃないですか。お久しぶりです」

    オスカー「以前の視察以来ですね。今お菓子を作っていますので、よかったらどうぞ」

    ワユ「ルキノさーん!ひっさしぶりだけど、手合わせしてくれに来たの?」

    ルキノ「いや……ちょっと今日は別に用があって伺いました」

    ルキノ(相変わらず仲の良い団だな。羨ましいことだ)

5 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/05(火) 23:04:16.33 ID:qsJz6+lh0
    蒼炎SSとか初めて見た

6 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/05(火) 23:08:46.95 ID:fV8FEyiF0
    ルキノ「……というわけです」

    ボーレ「へっ、アイクの野郎も罪作りな男だぜ。あんな別嬪さんを悩ませるなんて」

    ミスト「お兄ちゃんそういう事には限りなく鈍感だからね……」

    ティアマト「あの子も生き抜くことで精一杯だったから、ね」

    ワユ「うーん。でも最近の大将、なーんか変なんだよねぇ」

    キルロイ「変?」

7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/05(火) 23:14:15.55 ID:fV8FEyiF0
    ワユ「変っていうか、なんか浮かない顔してるっていうか」

    ワユ「よく手合わせしてもらいに行くけど、最近は前以上にそっけないっていうか、不安定な感じがするんだよね」

    ワユ「今一注意力が散漫な時もあれば妙に鬼気迫る時もあるっていうか。それでも勝てないのが悔しいけどねぇ」 ウズウズ

    セネリオ「……」

    シノン「……」

    ガトリー「シノンさん、黙りこくっちゃってどうかしたんすか?」

    シノン「……どうもしねぇよ。ちっ」 スタスタ

    ヨファ「シノンさん、どこ行くの?」

    シノン「……」 スタスタ

    オスカー「……」

8 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/05(火) 23:17:56.51 ID:fV8FEyiF0
    ワユ「ともかく、ルキノさんも剣士なら手合わせしてみればわかるんじゃないかなぁ」

    ルキノ「……彼は今どこに?」

    ワユ「城下の外じゃないかな。多分いつもの基礎修行に没頭してると思うよ」

    ルキノ「……心得ました。それでは」 スタスタ

    キルロイ(アイクの変化、心当たりがなくもない気がするけど……まさか、ねぇ?)

9 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/05(火) 23:20:26.41 ID:/sdJFM690
    最近蒼炎をクリアした俺にとってなんともタイムリーすぎるスレ
    期待してもいいの?

10 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/05(火) 23:23:48.09 ID:fV8FEyiF0
    城下外・平原

    アイク「……ふっ!……はっ!」 ブンブン

    アイク「……何か用か?」 ピタッ

    ルキノ「気配は殺していたつもりですが……流石ですね、アイク将軍」

    ルキノ「傭兵団の宿舎をたまたま通りがかって話を聞いたもので。そのついでです」 ポイッ

    ルキノ「手合わせ、願えますか?」

    アイク「……何のつもりだ?」

    ルキノ「ただの気まぐれですよ。たまにはいいでしょう?」

    アイク「……わかった」




11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/05(火) 23:24:32.35 ID:Ay3ryIryO
    マーシャとレテが可愛いければ良し

12 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/05(火) 23:29:49.60 ID:fV8FEyiF0
    カァン カァン

    ルキノ(ただの木刀だというのに、なんという剣戟の重さ……!かつ速さ!)

    ルキノ(並の剣士では持つことすらままならぬラグネルを片手で扱えるほどの膂力なら当然か……)

    ルキノ「ふっ……はぁっ!」 ヒュン

    アイク「……!」 シュン

    ルキノ(消えた……!?横!?)

    アイク「はっ!」 スパァン

    ルキノ「ぐぁっ……」 カラン カラカラ・・・

    アイク「……これで満足か?」 スッ ピタッ

    ルキノ「……お見事です。ですが」

    ルキノ「何がそこまで貴方を駆り立てるのですか」

    アイク「!」

16 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/05(火) 23:35:35.38 ID:fV8FEyiF0
    ルキノ「今の貴方には、なんというか……焦りを感じます」

    ルキノ「何かを掴みかけているのにそれがわからないでもがいているような……そんな余裕の無さを」

    アイク「……」

    ルキノ「……まぁ、いいでしょう。貴方は何かに迷っている、それがわかっただけでも良しとします」 スタスタ

    アイク「……」

    ルキノ「あぁ、そうそう」 ピタッ

    ルキノ「女王陛下も心配しておられましたよ?」

    アイク「……!」

    ルキノ「それでは」 スタスタ



    アイク「……エリンシアが」

17 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/05(火) 23:42:00.33 ID:fV8FEyiF0
    城下

    ルキノ「さて……どうしたものか……誰だ!?」 チャキッ

    ??「おっと、すまんすまん。驚かせるつもりはなかったんだが」

    ルキノ「貴公は……確かライとか申したか」

    ライ「お見知り置き頂いてるとは光栄だね」

    ライ「いや、カイネギス様の使節で久しぶりにやってきたもんでね」

    ライ「ついでに傭兵団にも挨拶していこうと思えば見知った顔が出て行くから、ちょっと気になってな」

    ライ「なんか面白いことになってるみたいじゃないか」

    ルキノ「……面白い、ねぇ」

18 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 : 2012/06/05(火) 23:45:58.73 ID:+rVbL16F0 [1/1回発言]
    レテマダー?

19 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/05(火) 23:50:16.21 ID:fV8FEyiF0
    ライ「迷ってるあいつなんてそうそう見られるもんじゃないからな」

    ルキノ「……ならば、貴公は彼をどう見る?」

    ライ「あいつにはありえないことだと思っていたが、な」

    ライ「あんたが――女王陛下の側近が思っているような事だと思うぜ?」

    ルキノ「そうか。なら、話は早いな」

    ルキノ「ひとつ、頼んでもらってもいいか?」

    ルキノ(…………) ゴニョゴニョ

    ルキノ「将軍と関わり深い貴公なら頼めるだろう」

    ライ「ああ。こんな面白いこと、引き受けないなんて勿体無いな」

20 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/05(火) 23:50:47.42 ID:yPczAeYj0
    これは蒼炎後、暁前でいいの?

21 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/05(火) 23:55:44.15 ID:fV8FEyiF0
    宿舎・夜

    アイク「帰ってみれば、まさかお前がいるとはな」

    ライ「久しぶりだな、アイク。王都奪還の時以来か」

    ライ「再会を祝して、どこかに飲みにでも出かけないか?おごるぜ」

    アイク「酒なんか俺は飲めんぞ」

    ライ「わーってるって。だから高くつかないからおごるってんだから」

    ライ「ちょっとした急用もあるしな」 ボソッ

    アイク「……?」

    ライ「ってわけだ。ちょっとこいつ借りてくぜ」

    ミスト「わかりました。いってらっしゃいお兄ちゃん」

    アイク「あ、ああ」

22 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/05(火) 23:59:02.38 ID:fV8FEyiF0
    >>20
    そう


    城下・酒場

    ライ「それじゃ、乾杯!」

    アイク「……乾杯」 カシャン

    ライ「う~、クリミアの果実酒はうめぇな!腹に染み渡るぜ」

    アイク「この茶もなかなかのもんだけどな。特に運動の後は」

    ライ「お前って奴は、本当に色気の無い奴だな。少しは世俗的な好奇心はないのかって」 ゴクゴク

    アイク「そんな事言われてもな……」


24 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/06(水) 00:05:56.30 ID:vyjXEj0H0
    ライ「しかし、最近めっきり王宮にも顔を見せねえらしいじゃん」 ゴクゴク

    アイク「そっちの専門は別にいるからな。わざわざ行く必要も無い」

    ライ「つったってなぁ。俺は使節で女王様と謁見したけど、後で個人的に会ったらお前のこと言ってたぜ?」

    アイク「……」

    ライ「『前に視察に行った時にアイク様がよそよそしかった気がする』ってな」

    アイク「……」

    ライ「だんまりかよ」 ゴクッ プハー

25 : ライ(個人的にはレテも応援してやりたいんだけどな) : 2012/06/06(水) 00:14:40.58 ID:vyjXEj0H0
    ライ「ありゃお前に間違いなく気があると思うんだけどなぁ?」

    アイク「……」

    ライ「黙ってないでなんとか言ってみろよ、おい」 ギロッ

    アイク「……俺にそんな資格は、ない」

    ライ「資格だぁ?」

    アイク「……」

    ライ「王になんてなりたくないってことか?あながちわからなくもねぇけど、そりゃあんまりだと思わねえのか?」

    アイク「話は終わりか?だったら……」 スタッ

    ???「まだ終わるわけねぇだろ」 ガッ

    アイク「お前は……」

26 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/06(水) 00:16:09.28 ID:iwuCXGJv0
         |┃三           /! _ ト、
        |┃ ≡       ,r‐ '/l[[!ト、!:::\
        |┃      ___ !l::::::!:.!:l,!:::!::::::::l _       
        |┃≡  /____ l !!:::::l:.l:::!::::!::::::::!| ,二二、  
        |┃ヽ___//::::::!| 'l|ト、ヽ:::::/:::::::;' !  !:::::::::::::    私の出番はまだか!!
    ____.|ミニニヽ:::::::::::l ,'   )ヽニVニイ!r'´!  !::::::::::::::::::  
        |┃:::::::::::ヽヽ:::::::! !ィr(:::ヽ::::::! !:::ノ:ヾ!:::!  !::::::::::::::::::::
        |┃:.:.:.:.:.:::::!|::〈/:.ヽミト、r‐'┴―‐く:∧ l::::::::::::::::::::  ガラッ
        |┃:.:.:.:.:.:.:.:l|::/:ヽ:.:.:.:.:フ::::::::::ll___/:.:.:ヽ ヽ::::::::::::


28 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/06(水) 00:20:41.00 ID:vyjXEj0H0
    シノン「無視決め込んでやってもいいかと思ってたんだけどな、気が変わった」

    アイク「シノン……」

    シノン「歯ぁ食いしばりな」

    ガッ 

    アイク「ぐぁっ……!」

    シノン「テメェの事情はどうあれ、ああまで惚れてる女を釈明もせずに離れようとするってのは筋が通らなくねえか、ああん?」

    アイク「……っ!俺は……!」

    ????「誠にシノン様の仰る通りだと思います」

    アイク「あんた、ジョフレ将軍……?」

    ジョフレ「……」

30 : よく考えたらジョフレは様じゃなくて殿かな : 2012/06/06(水) 00:30:10.30 ID:vyjXEj0H0
    アイク「なんでこんな所に……」

    ジョフレ「ライ殿に呼ばれていまして、最初から。それよりも」

    ジョフレ「アイク殿、あなたは私には決して届き得ぬものを持ちながらそれを無為に手放そうとしておられる」

    ジョフレ「シノン殿の言う通りですが、せめて筋は通していただきたいと思っているのです」

    アイク「……」

    ジョフレ「私が求める質問はたった一つだけです。あなたは陛下を嫌っているのですか?」

    アイク「…………嫌いな訳、ないだろう……!」

    ジョフレ「……そうですか。それで十分です。後は本人の前でお願いします」

    アイク「なんだと?一体どういう……!?」 ガクッ


32 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/06(水) 00:35:35.34 ID:vyjXEj0H0
    ジョフレ「……すまない、ユリシーズ殿」

    ユリシーズ「体良くスリープで眠って頂いたが……本当によかったのか?ジョフレ」

    ジョフレ「聞くまでも無いでしょう。私は陛下のために動くだけのこと」

    ユリシーズ「……そうか」

    ライ「これで、俺の出番は終わりかい?」

    ジョフレ「ええ。後は私が。……くっ、なんて重さだ」 グイッ

    ライ「何を抱え込んでるのかは知らねぇが、後は当人同士でってことだな」

    ジョフレ「ええ。良い結果をお知らせできるよう願っています。それでは」 ザッザッ

    ライ「……良い結果、ねぇ……」

    シノン「……ふん」

34 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/06(水) 00:41:54.67 ID:vyjXEj0H0
    王宮・エリンシア寝室

    エリンシア「はぁ……民のためにはもっとしっかりしなくちゃいけないのに……」

    コンコン

    エリンシア「だ、誰?」

    ジョフレ「私です」

    エリンシア「ジョフレ?どうかしたの、こんな時間に」

    ジョフレ「お開け下さればお分かりになります」

    エリンシア「……?」 ガチャッ

    エリンシア「あ、アイク様……!?」

    ジョフレ「陛下のお悩みの"特効薬"をお持ちいたしました。どうぞ存分にお使いなさってください」

    エリンシア「ジョ、ジョフレ……?」

    ジョフレ「健闘をお祈りしております。それでは」 ドサッ バタン

    エリンシア「……」


36 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/06(水) 00:45:40.91 ID:vyjXEj0H0
    ジョフレ「ふぅ……ん」

    ジョフレ「姉上と……ユリシーズ殿」

    ルキノ「辛い役目を負わせて悪かったわね、ジョフレ」

    ジョフレ「いえ……わかっていたこと、ですから」

    ユリシーズ「今宵は我輩の部屋で飲み明かそう。丁度いいワインがあるでな」

    ジョフレ「はい……うぅっ……!」 グスッ

    ルキノ「好きなだけ、泣くといいわ。誰も責めはしない」

37 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/06(水) 00:51:13.68 ID:vyjXEj0H0
    アイク「……う……」

    エリンシア「あ……お気づきになられましたか?アイク様」

    アイク「エリ……女王」

    エリンシア「またそんな呼び方をなさる。エリンシアとお呼びくださいと言っていたじゃないですか」

    アイク「……わかった。エリンシア。じゃあ俺も様って呼ぶのはやめにして欲しい」

    エリンシア「わ、わかりました。あ、アイク……どうですか?私の膝」

    アイク「……?ああ」

    エリンシア「よかった……」

    アイク「……っ」


39 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/06(水) 00:54:44.60 ID:vyjXEj0H0
    ガバッ

    アイク「柔らかすぎてまた寝てしまいそうだから、ここまでにしておく」

    エリンシア「あ……」 シュン

    アイク「……エリンシア」

    エリンシア「は、はい」

    アイク「ここからは俺の独り言だ。返事はしなくていい」

    エリンシア「え……」

40 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/06(水) 00:59:55.47 ID:vyjXEj0H0
    アイク「王都奪還のあの日、俺は今までの生涯で最も死を覚悟した」

    アイク「あの時のアシュナードはもはや人智を超えた強さだった」

    アイク「ティバーンが、ネサラが、ジフカが、それでも奴は俺達を圧倒する強さだった」

    エリンシア「……」

    アイク「そんな時、俺を呼び覚ました声があったんだ」

42 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/06(水) 01:05:17.83 ID:vyjXEj0H0
    ――――――
    ――――
    ――

    アシュナード「く…・・・くはははは……!」 ブオン

    アイク「ぐあぁっ!」

    ティバーン「アイク!」

    アシュナード「はははははは!!」 グン

    アイク「が……はっ……!」


    『あの時、俺は構えたラグネルのガードの上から弾き飛ばされ、あの剣――グルグラントの腹で叩き飛ばされた。
    咄嗟に後ろに飛んでいなかったら即死してたかも知れない』

    『丁度吹き飛ばされた先にそいつはいた』


43 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/06(水) 01:12:27.84 ID:vyjXEj0H0
    アイク(眼が霞む……畜生、ここまで来て、俺は……!)

    ???「いやあああっ!アイク様、アイク様ぁっ!!」

    アイク(この声は……)

    ???「私を……私を置いて行かないで……アイク様……、アイクゥッ!!!」

    ジフカ「王女、危険です!離れて!」

    アイク(!!!)

    ビュオッ

    アシュナード「……止めだ」

    エリンシア「いやあああああっ………!!!」

    ズガァァン

    アシュナード「……なんだと?」

    アイク「う……おおおおおおおお!!」


44 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/06(水) 01:19:45.00 ID:vyjXEj0H0
    アイク「アシュナードォォォ!!」 ダッ

    アシュナード「まだ息があったか……無駄な足掻きを……!?」 

    ズガバシャーン!!

    イレース「レクス、ボルト……!」

    セネリオ「今です、アイク!」

    アシュナード「小癪な……ラジャイオンを……!」

    ピカーン クルクルクル

    アイク「はぁぁぁぁぁ!!」 ズシャアア

    アシュナード「ぐ……はっ……は、ははははは!!そうか!これが敗北か!これもまた良し!」

    アシュナード「ふ……ふはははは……!」 ドシャァ

    アイク「はぁ……はぁ……はぁ……」 バタン

    エリンシア「あ、アイク様!しっかり、しっかりして!」

    ――
    ――――
    ―――――― 

46 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/06(水) 01:28:44.36 ID:vyjXEj0H0
    アイク「……あんな動きができたのは、後にも先にもあの時だけだった」

    アイク「誰のおかげかなんて、考えるまでもないと思ってる」

    アイク「エリンシアが、俺に力をくれたんだって、な」

    エリンシア「あ、アイク……」

    アイク「けど、俺は王なんて柄じゃないし、エリンシアを自身の力のダシにしているような気がしてそれがたまらなく嫌だった」

    アイク「エリンシアがいれば俺はまたあの境地に至れるんじゃないか……って浅ましく思ってしまうのが」

    エリンシア「……それの何がいけないんですか?」

    アイク「エリンシア?」

47 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/06(水) 01:34:17.03 ID:vyjXEj0H0
    エリンシア「『できないことを自覚して、他人に助けを求めることは…恥でもなんでもないんだからな』」

    アイク「それは……」

    エリンシア「『なら聞くが、俺達傭兵を雇う教育は受けていたのか?
            散り散りになっている臣下を集める教育は?失われた国を取り戻す教育は?
            違わないさ。これまで立派にやってきたじゃないか。これからもやっていけるさ』」

    エリンシア「……全部、アイクに教わったことです」

    エリンシア「アイクの言葉がいつも私に力を与えてくれたんです」

    アイク「エリンシア……」

48 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/06(水) 01:42:09.82 ID:vyjXEj0H0
    エリンシア「ですけれど、私はアイクを縛り付けたくはないんです」

    エリンシア「私がアイクを思い続けていられれば、それでいいんだって」

    アイク「……本当に、いいんだな?」

    エリンシア「何を今更。それ以上仰ったらぶっ飛ばして差し上げますわよ?」

    アイク「……わかった。俺も、エリンシアを愛してる」

    エリンシア「あ、アイク……」 ジワッ

    アイク「月並みだが……これしか言葉が出てこない」

    エリンシア「いいんです……嬉しい……!」 ギュッ

49 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/06(水) 01:50:31.94 ID:vyjXEj0H0
    アイク「……けど、俺はしばらくクリミアを出たいと思ってる」

    エリンシア「どうして……って、聞いてもいいですか?」

    アイク「まだ、俺はここの貴族に歓迎されてないようだから、ってのがひとつ」

    アイク「もう一つは、今のうちにいろんな世界を見て回りたいと思うからだ」

    アイク「いつか、王になる時が来るかもしれないから」

    エリンシア「……そうですか」

    アイク「復興も任せきりなってしまうが……勝手で済まない」

    エリンシア「いいんです。想いが通じ合ったことが何よりも嬉しいですから」

    エリンシア「それなら……出立する前に、思い出をいただけませんか……?痛いほどの」

    アイク「あんまり、痛くするのは趣味じゃないんだがな……」

    エリンシア「ふふっ……」

    ――
    ――――
    ――――――

50 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/06(水) 01:58:52.55 ID:vyjXEj0H0
    一ヵ月後

    ジョフレ「本当に、行ってしまわれるのですか?」

    アイク「ああ。エリンシアも承知の上だ。エリンシアを、頼む」

    ジョフレ「そう言われるといっそ清々しいですが。必ずや、守り抜いて見せましょう」

    アイク「ありがとう」



    ミスト「エリンシアさん、良かったね」

    ボーレ「恋人になったかと思えばすぐ別居ってのも、あいつらしいってのかね」

    ボーレ「俺ならミストを離したりはしねぇけどな!」

    ミスト「びっくりしたよね。お兄ちゃんが帰ってきたかと思えば突然ボーレを認めるんだもん」

    オスカー「ボーレの頑張りが認められたんだよ」

    ボーレ「だといいんだけどな……明らかに心境の変化があったってのがまた面白いけど」

    キルロイ「それアイクの前で言ったらラグネルの衝撃波飛んでくるよ」

    ボーレ「うへえ……!」 ゾッ

51 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/06(水) 02:02:42.60 ID:vyjXEj0H0
    シノン「へっ。女を知ってやっと首魁っぽくなりやがったな、あいつも」

    ガトリー「シノンさん、それ喜ぶことなんですか?」

    シノン「お前は少し黙ってろ」 ガツン

    ガトリー「いてっ!」



    ティアマト「シノンも相変わらずね」

    セネリオ「人間、そうは変わらないものですよ」

    ティアマト「そうだけどね……変わるときは変わるものよ。あの子みたいに」

    セネリオ「……」



    アイク「――よし!グレイル傭兵団、出発するぞ!」

53 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/06(水) 02:08:32.03 ID:964GAL7y0
    暁で何故専用エンドが無かったのか

54 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/06(水) 02:08:52.75 ID:vyjXEj0H0
    ルキノ「エリンシア様、アイク様が行ってしまわれるというのに、えらく機嫌がいいですね」

    エリンシア「もう大丈夫だってわかってるから、ね」

    ルキノ「ぞっこんじゃないですか……あまり人前でのろけないで下さいよ?」

    エリンシア「わ、わかってるわよっ」

    ユリシーズ「彼らと連絡を取る手段も抜かりはありませんから。必要とならないことを祈りたいものですが」

    エリンシア「――行ってらっしゃい、アイク様」



    この約3年後、女神アスタルテを討ち、国内を革新したクリミア王国に新たな王が誕生するのは、また別のお話である。



    終わり

55 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/06(水) 02:11:50.74 ID:964GAL7y0
    乙
    エリンシアが報われる話があっても良いよね

56 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/06/06(水) 02:11:57.23 ID:vyjXEj0H0
    久しぶりに蒼炎でアイクとエリンシア支援Aでクリアしたのでついカッとなって書いてみた
    暁なんなのあの扱い(´・ω・`)ってなったのでSSでぐらいエリンシアがいい目見たっていいじゃないということで

    ちょっと即興で粗い話だけどここまで読んでくれてありがとうございました
    ではでは